新居への引っ越し当日、美紀の両親は朝から1日中片付けを手伝った。ところが夫・健太は父に5000円を渡すと、「これからうちの両親が来るから」と、作業が終わった途端に帰るよう促す。 その夜さらに判明したのは、美紀に無断で義両親を1階の和室へ住まわせる計画だった。父から「お前の知らないところで、お前の返事が使われていないか確認しろ」と忠告された美紀が共有パソコンを調べると、健太の開業計画書には「親から1000万円」「銀行借入2000万円」、そして美紀単独名義の新居を担保にし、「妻の同意予定」とまで記されていた。 しかも義母に確認すると、1000万円の援助など約束していないと発覚。 自分も両親も“どうせ最後は同意する”と勝手に計算されていたと知った美紀は、銀行へ正式に不同意を伝える。 その一本の電話から、健太が他人の財産の上に築いた夢は音を立てて崩れ始める――。