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"レジで3860円を払ってくれた男は、巨大企業の会長だった" 第12話

と毅然と退け、の指揮権限を直ちに止した。

会議にはい沈黙が落ちた。は会社を支えてきた役員であり、連もその働きをらないわけではなかった。だからこそ、今回の判断を個なりや過ので決めることは避けた。

監査担当者に証拠の保と関係部署の権限確認を指示し、今の調査も部の目が届く形でめるよう求めた。誰かを処分して終わりにすれば、同じ仕組みが残る能性がある。

連が向きわなければならないのは、個の問題だけでなく、利益を優先するあまり現の声を聞き落としてきた組織のあり方そのものだった。

数週、宮グループは民向けの説会をき、連は自ら適切な資料変更と事管理の備について正式に謝罪した。

補修費用と損失の補償を約束し、民代表や専を交えて再発計画を根本から見直す方針を示した。千代からの「私たちの話も聞いてほしい」という切実な声に、連は真っ直ぐに応えた。

説会の会には、商でく暮らしてきたも、最を始めた若い経営者も集まっていた。誰もが同じ見ではなく、い再発を望むもいれば、今の景をできる限り残したいもいる。

連はすべての希望をそので叶えられるとは言わなかった。

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だが、危険性の評価を公平に示し、判断の理由と費用の負担を説しながら、つずつを積みねると約束した。

千代が発言を終えると、会のあちこちからさな頷きが返ってきた。すぐに信頼が戻るわけではない。それでも対話を始めるための席がようやくったのだった。

調査事務所にも正式な謝罪文が届き、咲の潔が証された。監査報告には、咲が提した原本に問題はなく、彼女の利用者名を使った正アクセスだったことが記されていた。

咲は佳代からしい調査計画への参加を打診され、特別な扱いではなく実績で評価されたことをび、再び現へ戻っていった。

しい調査に参加することが決まった、咲は久しぶりに現用の鞄を丁寧にえた。測定器具の点検をし、記録用を用し、傷のついた作業靴の紐を結び直す。

何気ない支度のつつが、自分の仕事へ戻れた実を与えてくれた。佳代は無理をしすぎないようにと声をかけ、瀬もこれまで通り資料の照作業を伝うと言った。

咲は謝しながら、誰かの信頼を取り戻すには特別な言葉ではなく、これからの仕事を積みねることが切なのだとじた。連に連絡を取るのは、そので現を確かめてからにしようとった。

の。

桜町商ではしい広の完成を祝う催しがかれていた。計塔は正確なを刻み、千代の堂にも笑い声が戻っている。

再発は民の声を取り入れながら、しずつ着実にんでいた。

広には子供たちが集まり、計塔のでは商の々が久しぶりに顔をわせていた。咲は完成までに交わされた数えきれない議論をいした。

補修の方法も、線の確保も、予算の使い方も、度で答えがたわけではない。見が分かれたには現の寸法を測り直し、説図を作り、もう度話しった。

その繰り返しので、古いものをただ守るのでもしいものを方に押しつけるのでもない、桜町らしい変化の形が見えてきた。千代は広を眺めて、ようやくして客を迎えられると笑った。

催しの帰り、咲と連は駅のスーパーにち寄った。夕の材料を選び、レジで咲がカードを差し込むと、械は何事もなく支払いの完を告げた。

その音を聞いた瞬、は顔を見わせ、全ての始まりとなったあのの夜をいした。

あの頃は互いの仕事も活もほとんどらなかった。咲には借りたを返すことしか見えておらず、連には見らぬ女性ともう度話したいという理由さえ自分でうまく説できなかった。

それからのは、楽しい事ばかりではなかった。信じたいのに疑わなければならない夜もあり、の違いがくじられるもあった。

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