みかん小説
本棚

"家族はすき焼き、義姉だけが台所で水かけご飯を食べていた" 第13話

居の計分担として、私の料から固定費の半を拠させようとしていた計の試算メモ。

弁護士は類を丁寧にめくりながら、静かに鏡のブリッジを押しげた。

「民法第747条に基づく詐欺による婚姻の取消し、あるいは婚姻を継続しがたいな事由による婚請求ですね。相方が婚姻のな判断素である子のを故に秘匿し、かつ経済な補填を図していたとなれば、悪質性は極めていと言えます」

淡々とした法律用語が、事務所の静かな空気に落ちていく。

その響きだけが、理尽に歪められかけた私の尊厳を、たく、けれど確かに守ってくれている気がした。

活の拠点は、退を取りやめた自分の暮らしのアパートに完全に固定した。

居の賃貸契約も、弁護士を通じて私の名義をし、共財産になりかけていたの精算も面で淡々とめた。

そのも、直からは毎のようにメッセージが届いていた。

『昨は眠れた?』

『遥の好きなスープ、買っておいたよ』

『度でいいから顔を見て謝りたい』

まるであの夜の決定な断絶などなかったかのように、常の皮を被った甘えが並ぶ。

私は度も返信しなかった。

既読をつけることすらやめ、すべての通を切り、弁護士宛てに送るよう事務な定型文を度送ったきりだった。

広告

孤をめた直のろで、義母の焦燥は限界に達していたようだった。

「親戚が審がっている」

「婚の嫁がに寄り付かないなんて、所に顔向けができない」

「度族全員で集まって、に流すための話しいをしなさい」

義母から私の弁護士事務所宛てに、ヒステリックな話が何度も入った。

逃げを失った義母が最に縋り付いたのは、やはりあの「世体」だった。

私は弁護士と相談したで、その求を呑むことにした。

ただし、所は瀬のではない。

駅くの本料理の、な個。

そして、私を方に断罪するような密の構図を作らせないこと。

それが、私のした絶対条件だった。

個の引き戸をけると、張り詰めた沈黙が部を満たしていた。

座には、腕を組み、嫌を絵に描いたような顔で座る義母。

その隣に、さく縮こまり、度も私と目をわせようとしない直。

座には義兄の太さんと、その隣に、背筋をすっと伸ばした真帆さんが座っていた。

真帆さんは紺のシンプルなセットアップを着ていた。

あのの、のエプロン姿とはまるで別のように、凛とした横顔だった。

私が席につくと、義母が待ってましたとばかりに湯呑みを乱暴に置いた。

「遥さん。ずいぶん層な弁護士さんをてて、私たちを脅すような真似をしてくれたわね」

番、義母のからびしたのは、謝罪でも気遣いでもなく、剥きしの被害者識だった。

「親戚ので、どれだけ私が肩の狭いいをしているか分かる? 直がし過のことを言いせなかったからって、をびして別居なんて……世体が悪くて、所のスーパーにもけやしないわよ」

直が横で「母さん、もうやめてよ……」と々しく呟くが、義母は瞥すらせず捲してる。

「男の過なんて、しくらい目をつぶるのが賢い嫁でしょう。直だって反省してるんだし、子どもを引き取るわけじゃないんだから。今のこの席で、お互いにに流して、からちゃんと居に戻りなさい。それで全部おしまいよ」

息を吸うように、の尊厳を踏みにじる。

このにとって、私のも、真帆さんのも、すべては「瀬の体裁」を飾るための添え物にすぎないのだ。

「それからね」

義母の矛先が、音をてて真帆さんへと向けられた。

「真帆さん。あなたも今、直と遥さんにちゃんと謝りなさい。男の嫁のくせに、余計なことをベラベラと吹き込んで、この騒の発端を作ったのはあなたよ」

ピシャリと、部の空気が凍りついた。

太さんが息を呑み、何か言おうとして籠もる。

かつてなら、ここで真帆さんはさくをげ、たい言葉をでみ込んでいたはずだった。

けれど。

「謝りません」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: