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"赤字物件と笑う夫、毎月9万の裏口座" 第11話

「あのエリア帯、約400坪をまとめて確保し、型の品スーパーを核とした複商業施設を誘致する計画がいているんです。すでに周囲のの8割方は、ディベロッパーと提携した産会社が買い取りをめている」

田島さんは赤いペンを、父のビルの丸印にトントンと当てた。

「そして、その計画のど真んに位置しているのが、お父さんが遺したあのビルなんです。あそこを用に組み込めなければ、搬入用の付けができず、ディベロッパーの計画自体が頓挫する。つまり——」

「喉からがるほど、欲しい……」

「その通りです。ディベロッパー側の最終な買収提示額は、坪単価から計算して、おそらく『7,000万円から8,000万円』までねがります」

7,000万から、8,000万。

数字の桁がきすぎて、がクラクラした。 血の気が引いていくのが分かる。

「旦さんのシナリオはこうです」

田島さんは徹な声で、恐るべき企みの全貌を解きかしていった。

「まず、妻である恵理さんを『赤字物件の恐怖』で脅し、相の数分のである1,200万円で、仲のトンネル会社(K-Plan)に売却させる。名義をK-Planに移してしまえば、もう恵理さんには何の権利も残りません」

「……そのあと、K-Planがディベロッパーに転売する……?」

「ええ。8,000万円で転売すれば、差額の『約6,800万円』が丸ごとK-Plan……つまり旦さんとその仲の懐に転がり込むという仕掛けです」

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背筋に、たいどころではない、凍りつくような悪寒がった。

6,800万円。 その巨額の暴利を掠め取るために。

あの男は、私に「赤字だ」「い虫だ」と嘘をつき続け、5も賃を横領し、修繕費まで騙し取っていた。 そして、浮気相の女と結託し、婚届と緒に売却承諾を突きつけて、私の精神が番っている瞬に判を押させようとしたのだ。

「そして、その泉麻という女性ですが」

田島さんが元のメモに目を落とす。

「彼女が勤めている産会社は、まさにそのディベロッパーから用買収を委託されている仲介業者のひとつですよ」

パズルのピースが、最のひとつまで完全に噛みった。

泉麻は、ディベロッパーがいくらでそのを欲しがっているか、内部報を最初からっていたのだ。 その報を直に流し、直の妻の資産を底値で奪い取って転売し、分けにする。

「……直は、借があるはずです」

私は震える声で言った。 ここ数の夫の荒れ方、急に増えた怪しい話、消費者融の細が斎のゴミ箱に捨てられていたこと。

「投資に失敗して、首が回らなくなっていたんだといます。だから……刻もく、そのが欲しかった……」

「なるほどね。借の返済期限が迫っているか、あるいはディベロッパー側との買収契約の期限が今だったんでしょう。

だからあんなに血相を変えて、印私文偽造のリスクまで冒してサインを迫ってきたわけだ」

田島さんはいため息をつき、真剣な差しで私を見つめた。

「恵理さん。これはもう、単なる夫婦の婚問題ではありません。確な背任であり、詐欺の企てです。相はプロの女まで引き連れて、組織にあなたを騙し討ちにしようとしています。……どうしますか? 私はお父に変な恩があります。あなたが戦うというなら、全力で力になりますよ」

私は机のに置かれた、父のビルの登記事項証を見つめた。

『所者:浦恵理』

そこには、父が汗垂らして働き、私に残してくれた誇りが刻まれている。

父は、あので私を育ててくれた。 お客さんにをげ、所の子どもたちに笑顔を向け、誠実に、実直にきていた。

その父のいが詰まった所を、あの男たちは自分たちの欲望と借埋めのために、で踏みにじり、屑のように奪いろうとしたのだ。

許せない。 絶対に、許さない。

私の胸の奥底で、静かに、けれど消えることのない業が燃えがった。

「田島さん」

私は顔をげた。 もう、迷いはなかった。

「戦います。父のも、佐野さんの活も、私の尊厳も……あんなたちに奪わせません」

田島さんの元に、力い笑みが浮かんだ。

「よく言いました。そう来なくっちゃ、お父さんに顔向けができません。

……よし、すぐに私の旧の弁護士を呼びましょう。

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