"夫のスマホ「あの女は自分から出ていくよ」" 第14話
「ち、違います叔父さん! それは医者が千鶴に言いくるめられて……!」
「では、次をご覧ください」
私は枚目の証拠を配った。 透なパウチに入れられた、い黄緑の、柄の付箋。
『正へ 今の気代の督促状、予定通り米びつの裏に隠しておいたわよ。 これでまた、あのが「払ったはずなのに」って怯える顔が見られるわね。 くあの女をして、理さんを呼びましょう。私のの世話も、若いの方がだわ』
義母の、独特の角ばった跡。 カラーコピーされたその片が親戚たちのに置かれた瞬、義母の顔から血の気が完全に引いた。
「あ……それ、は……」
義母の喉から、ヒュッと引き攣った空気が漏れた。
「お義母様、ご自分の跡ですね? 私が置き忘れたと責めてられた類は、すべてお義母様が隠し、私が自分自の正気を疑うように誘導していた。そして正さんは、それにわせて私を鳴りつけ、『おはおかしい』と刷り込み続けた」
親戚の兄夫婦が、顔を見わせて絶句している。
「これだけではありません」
隣でを睨み据えていた美咲が、毅然とをいた。 そのには、休みに義母から渡された遣い袋と、そこに紛れ込んでいたメモが握られていた。
「おばあちゃん、これ覚えてるよね? 私にお遣いをくれた封筒に、違えて入ってたメモ! 『何何分、千鶴さん鍵の所忘れ』『ガス確認せず』って、お母さんのを監して、狂った証拠を集めようとしてたメモ! 私、ずっと気悪くて持ってたんだよ!」
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美咲の声が、座敷の空気を切り裂く。
「お父さんもおばあちゃんも、最初からお母さんを追いすために罠にかけてたんじゃない! お母さんは何もおかしくない! お母さんをおかしくさせようとしてたのは、あんたたちでしょう!」
歳の娘の、魂からの告発。 正の兄が、耐えかねたように卓を叩いた。
「正……! お、本当なのか!? 母さんと結託して、千鶴さんをそんな目に遭わせていたのか!?」
「あ、兄貴、違うんだ、俺は……!」
「何が違うのですか、正さん」
倉田弁護士が、徹な声で最の爆弾を投した。 卓のに並べられたのは、夫のスマホのLINE画面の拡写真。 そして、あのワンルームマンションの賃貸保証契約の写しだった。
『もうしで、あの女は自分からをていくよ』 『最は本も、自分がおかしいとい始めてるみたい』 『来週にはあのワンルームの鍵、あいつに渡せる段取りついたから』
「送信者は、あなたの部である宮原理さんですね」
倉田弁護士の声が、法廷のように厳しく響く。
「すでに宮原氏の元、および貞関係の証拠は保全済みです。さらに、あなたが千鶴さんを追いそうとしていたアパートの連帯保証には、宮原氏の親族の名義が使われていました。貞為を隠蔽し、責配偶者としての責任を逃れ、財産分与も慰謝料も支払わずに千鶴さんを無文で放りすための、周到な計画排除です」
「倫……!?」 叔父の目がりでカッと見かれた。
「正! 貴様、会社の女と倫した挙句、連れ添った嫁を病気扱いにして、親族を騙して追いそうとしたのか!?」
「叔父さん、違うんです! 理とはただの相談相で……母さんもってて……!」
追い詰められた夫が、無様に義母を指差した。 その醜悪な保の言葉に、義母が弾かれたように叫んだ。
「何言ってるの正! 私はあなたが『千鶴さんとはもうやっていけない』って泣きついてきたから、母親として助けてあげようとしただけじゃないの! 全部あなたが理さんと仕組んだことでしょう!」
「嘘をつくな! 母さんだって『若い嫁のほうがの世話を頼みやすい』ってんでただろ! 付箋をいたのは母さんじゃないか!」
「おがけって言ったんじゃないのよ!」
座敷の真んで、共犯者たちの醜い擦りつけいが始まった。 昨まで「完璧な母と息子」を演じ、私をあざ笑っていたが、保のために互いの肉をい破りっている。
親戚たちは、あまりの浅ましさに顔を背け、軽蔑の差しを向けていた。
「……もう、たくさんだ」
叔父がく吐き捨てるように言った。
「正、せ子さん。川の恥晒しめ。、文句も言わずにこのの面倒を見てくれた千鶴さんを、こんな湿なで陥れようとするとは……のにれている。