みかん小説
本棚

"出張中の夜、隣人が聞いた「私の怒鳴り声」" 第13話

私はチェストの引きしを閉め、再びリビングへと戻りました。

ダイニングテーブルのに広げた請求の束をまとめ、元の引きしに戻そうとしたのことです。

封筒の束の1番に、の華やかなブランドの封筒とはらかに違う、な茶封筒が1通だけ紛れ込んでいるのを私は見つけました。

私はを止め、その茶封筒を抜き取って表面を見ました。

差は、この町にある元の産会社です。

なぜ産会社からが来ているのかと議にい、私は封筒のから数枚の綴じられた類を引きしました。

いてみると、それは私たちがんでいるこのマンションの産査定報告でした。

このマンションは、購入の登記の名義こそ夫の健になっていますが、最初のも毎の12万円のローンも、全て私の座から支払ってきたものです。

それなのに健は、おをしている私に無断で、このを売却するための査定を元の産会社に依頼していたのです。

私は報告に並んだ細かい項目を目で追い、ある1点でピタリと線を止めました。

そこには、訪問査定実施として、昨の午8というが記されていました。

昨の午8。

それは、私が張でくれたホテルにいてを空けていた夜であり、隣の良子さんがご夫婦で喧嘩していたと私に教えてくれた、あの夜の9の直のです。

広告

健とあの女は、昨の夜、産会社の担当者をこのに実際に呼び、マンション売却のための訪問査定をさせていたのです。

そして、その査定報告の1番の総所見の欄には、赤いボールペンでに丸く囲まれた、決定な文字が記されていました。

宅ローンの残債務が現の査定額を幅に回るため、売却の元資は0、もしくはマイナスとなります。

その赤い文字を見た瞬、産査定報告を握る私のがかすかに震えました。

報告の1番に、赤いボールペンで丸く囲まれた酷な言葉。

残債務が査定額を幅に回るため、売却の元資は0、もしくはマイナスとなります。

その文字を見つめた瞬、私のので、昨の夜にこので起きた全ての解な来事が、1本の確な線となって繋がりました。

昨の夜、健とあの女は産会社の担当者をこのに呼んでいました。

訪問査定の刻は午8であり、隣の良子さんが喧嘩の声を聞いたと言っていた夜の9の、わずか1です。

健はきっと、あの若い女に対して、この派なマンションはすべて自分の資産だと見栄を張って嘘をついていたのでしょう。

私のクレジットカードを盗んで使い、私の名で消費者融から借をねて女に贅沢な活を与えながら、最は自分の名義であるこのを売却して、数千万円のまとまった現をにするつもりだったのです。

そして、その売却計画の成功を祝いするために、彼らはキッチンの収納から、私が結婚記のために切にしていたあの級ワインを引っ張りしてけました。

しかし、産会社から突きつけられた現実は、彼らの甘い計算とは全く違いました。

このマンションの宅ローンは、まだ数千万円も残っています。

それは全て私が毎働いて返済しているものであり、今の価格で今すぐ売却したところで、ローンを完済することすらできず、元には1円の現も残らないのです。

午8にやってきた産会社の担当者からその酷な事実を告げられた、緒に聞いていた女は体どうったでしょうか。

お持ちの頼もしい夫だとっていた男が、実は全ての活を妻の収入に完全に寄しているだけの、借まみれの無力なだったとったのです。

隣の良子さんが壁越しに聞いた、ふざけないでよという私のふりをした女の鳴り声。

それは、健の嘘の全てをって激昂した、あの女の絶望の叫び声だったのです。

ずっと騙されていたとった女は、りに任せて元にあった級ワインのグラス、あるいはみかけのボトルそのものを、健に向かって全力で投げつけた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: