"結婚5周年、夫が義妹と泊まった1708号室" 第20話
私は彼女のスマホを取りげた。
彼女は奪い返そうとしたが、私は歩退いた。
宛先はやはり見らぬ番号だった。
私は素くその番号を暗記し、スマホを彼女に返した。
「今すぐてってちょうだい」
鈴なつは唇を噛み、突然顔をげた。
「藤原さん、姉がしたことは本当に申し訳ありません」
「結構よ」
私は彼女の言葉を遮った。
「私とあなたたち鈴は、もう何の関係もないわ」
彼女は何か言いたげだったが、最終にはうつむき、にっていった。
私はすぐにドアの鍵をかけ、ショールームに荒らされた形跡がないか確認した。
展示棚の引きしに入っていた材料サンプルの順番が狂っていた。
パソコンにはロックがかかっていたが、キーボードにはしい指紋が残っていた。
私はゆきに話をかけた。
「鈴なつは確かに怪しいわ。この番号を調べて」
私は先ほど覚えた数字を読みげた。
「すぐにやるわ」
ゆきはしを置いて言った。
「そういえば、渡辺レンには気をつけてね」
「どうして急にそんなことを言うの?」
「私の従兄が言ってたんだけど、渡辺レンには『復讐者』っていうあだ名があるらしいの」
ゆきは声を潜めた。
「彼が投資したプロジェクトのうち3つは、彼のビジネスのライバルを標にしたものだったそうよ」
話を切り、私はショールームのオフィスチェアに座り、考を巡らせた。
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窓から見える京の夕暮れは息を呑むほど美しく、夕がを血のに染めげていた。
私は残業することに決めた。
もし鈴なつが本当に渡辺レンのために私を監しているのなら、今夜彼か彼女のどちらかが必ずを起こすはずだ。
夜の9。
この階にはほとんど誰もいなくなった。
私はショールームのメイン照を消し、デスクランプだけを残して残業しているふりをした。
1015分。
廊から微かな音が聞こえてきた。
私は素く展示棚のろに隠れ、ドアノブがゆっくりと回るのを見ていた。
黒いがさっと入り込み、まっすぐにパソコンへ向かった。
渡辺レンだった。
彼はキーボードでいくつかの数字を入力し、パソコンの画面がるくなった。
その微かなので、彼が眉をひそめながら素くファイルを閲覧しているのが見えた。
数分、彼は探しているものが見つからなかったのかパソコンをシャットダウンし、私の鞄の方へ向き直った。
彼が鞄に触れようとした瞬、私はスマホのフラッシュを点灯し、彼の目に直接当てた。
「何を探しているんですか?渡辺社」
渡辺レンはそので固まったが、すぐに静を取り戻した。
「セキュリティシステムのテストですよ」
彼は顔つ変えなかった。
「こんなまで残業ですか?」
「お互い様ですね」
私は数歩づいた。
「パスワードはいくつでしたか?」
「何のパスワードですか?」
「あなたの庫のパスワードです」
私は彼の目を見つめた。
「それとも、鈴なつに聞いた方がいいですか?」
渡辺レンの表に、ついに微かな亀裂がった。
「何をどこまでっているんですか?」
「それほどくはありません」
私はゆっくりとデスクの裏に回り、彼と全な距を保った。
「例えばあなたと佐藤の因縁とか、鈴なつの本当の分とか、それから……」
私はわざと語尾を伸ばした。
「なぜ私のプロジェクトにそこまで興を持つのかとか」
渡辺レンは突然笑った。
今度はからの笑顔だった。
「藤原ゆい、あなたは私がっていたよりもずっと賢い」
彼は窓に歩き、私に背を向けた。
「鈴なつは確かに私が送り込んだです」
彼は夜景を見つめた。
「しかし目はあなたを監することではありません。あなたを守るためです」
彼は振り返った。
が彼のった輪郭を浮かびがらせていた。
「佐藤のは、そう簡単にはあなたを見逃しませんよ」
私は笑した。
「だから鈴なつが私の従妹だという嘘をでっちげたんですか?」
「それは彼女が勝にしたことです」
渡辺レンの声はたくなった。
「私はただ、彼女にあなたへづかせ、佐藤の向を探らせたかっただけです」
「なぜそこまで?」
私は迫った。
「あなたと佐藤のには、体どんなみがあるんですか?」