"結婚5周年、夫が義妹と泊まった1708号室" 第19話
カメラマンが写真を撮り終えた、渡辺レンは自ら私をオフィスのまで見送ってくれた。
「来週あなたの仕事にを派遣します」
「仕事はまだ借りていないんです」
私は正直に言った。
「うちのグループのショールームを使ってください」
彼は1枚のカードキーを渡してくれた。
「28階の2806号です。設備は全て揃っています。からでも使えますよ」
私はし躊躇した。
「それはあまりにも……」
「これも投資の部だとってください」
彼は無を言わさず、カードを私のに押し付けた。
「今夜パーティーがあるんですが、緒にきませんか?潜な顧客をいくつか紹介しますよ」
私はに積みになっている準備作業をいした。
「またの会にします」
「ご自由に」
渡辺レンは、私が断ることを最初から予していたかのようだった。
「そういえば、鈴なつをっていますか?」
その名は、針のように私の神経を突き刺した。
「鈴の妹ですか?」
「昨、私のアシスタントの面接に来ました」
渡辺レンの調は淡々としていた。
「履歴にはあなたの従妹だといてありましたが、嘘です」
「私は……」
私はわずった。
「私と鈴には何の血縁関係もありません」
渡辺レンはな目で私を見た。
「わかりました」
エレベーターのドアが閉まった瞬、私はきく息を吐きした。
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渡辺レンは像以にい相だ。
彼が鈴なつの名をしたのは、決して偶然ではない。
スマホが振し、ゆきからのメッセージだった。
『どうだった?』
私は『サインした。でも彼、鈴なつのことを聞いてきたわ』と返信した。
ゆきから即座に返信があった。
『なつ?あの子、にったんじゃなかったの?』
「どうやら帰ってきたみたいね」
私はエレベーターをりて、急遽トイレにくことにした。
個のドアに鍵をかけ、伊藤剣に話をかけた。
「鈴なつの最の向を調べて」
私は声で言った。
「それから、渡辺レンと佐藤のに体どんな因縁があるのかも」
「もう調べてるよ」
伊藤剣は声を潜めた。
「おかしなことがある。5、渡辺グループの建設現で事故があり、作業員が2くなったんだ。その改装を担当していたのが佐藤ひろしの会社だ」
私の臓がドクンと鳴った。
「事故の原因は公式には操作ミスとされているが、材料が基準を満たしていなかったという噂がある」
伊藤剣はしを置いた。
「さらに奇妙なのは、くなった作業員の1が『渡辺』という苗字だったことだ」
「渡辺?渡辺レンと関係があるの?」
「確実ではないが、事故の直、渡辺レンはスタンフォードを休学して帰国している」
伊藤剣の声はさらにくなった。
「それと、鈴なつは先週確かに帰国した。
しかしフライトの記録によるとタイから帰国しており、アメリカからではない」
話を切り、私は洗面台でたいを顔にパシャパシャと当てた。
鏡のの女は鋭い差しをし、元を引き締めていた。
それはすでに戦いの準備がった顔だった。
午3。
私は渡辺グループ28階のショールームにやってきた。
カードキーをかざすと、自に照がついた。
目のに広がったのは200平米もある空で、オフィススペース、展示スペース、制作スペースに分かれており、設備はしく充実していた。
私がこのプロ仕様の配置に嘆していると、突然隅からをめくる音が聞こえた。
「誰?」
私は警戒して振り返った。
いワンピースを着た女の子が、展示棚のろからてきた。
には私のデザイン画を持っていた。
「藤原さん……」
「鈴なつ」
私は目を細めた。
2ぶりに会う彼女は随分とびて見えたが、そのおどおどした目は変わっていなかった。
「どうしてここにいるの?」
「渡辺社が、資料の理を伝うようにと……」
彼女はうつむき、指を絡ませていた。
私はづき、彼女が机のに置いているスマホの画面がまだるいことに気づいた。
送信のメッセージがあり、冒には『潜入成功』とかれていた。
「渡辺社には、私の従妹だと名乗ったそうね」
私はたい声で尋ねた。
鈴なつの顔は真っ青になった。
「私はただ、仕事を探したくて……」
「履歴の偽造は犯罪よ」