みかん小説
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"鍵をかけた部屋で、誰かがシャワーを浴びている" 第18話

から警察のに聞いたら、田島オーナーは私が運ばれた、すぐにをモップで掃除して、宮澤さんに話したって……」

さんは顔をげた。腫れがった目から、粒の涙が零れ落ちる。

「宮澤さんは……私が入社したとき、すごく優しく指導してくれた先輩だったんです。『オーナーはし気だから気をつけてね』『困ったことがあったら何でも言ってね』って、お菓子をくれたりして……私、宮澤さんのこと、お姉さんみたいに慕ってたんです」

胸の奥が、ぎゅっと締め付けられた。 由佳のあの慣れた優しさ。面倒見のいい先輩の顔。 それは、私に見せていた顔と全く同じだった。

「それなのに……宮澤さんは、私が救急で運ばれた朝、おに来て……田島オーナーから未払いの料をもらう代わりに、私がから血を流して汚れたエプロンを……袋に詰めて持ちったって……」 さんの唇が激しく震えた。 「どうして……どうしてそんなことができるんですか。おのために、が殺されかけた証拠を隠して……平気でいられるんですか……」

私には、返す言葉がなかった。 由佳がエプロンを私の部に持ち込んだ。 「万の料と、万の当」。 彼女は自分の活を守るために、輩がから血を流して倒れた現の証拠を、せっせとビニールに詰め、に乗って練馬まで運んできたのだ。

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そして、の部の浴で、その血を洗い流そうとした。

そこにあったのは、巨な悪などではない。 の命や尊厳よりも、自分の目先の数万円を優先するという、底れぬほど浅ましく、グロテスクな自己だった。

「さん」 私は静かにをげた。 「あなたのエプロンは、私の部の洗面所に隠されていました。私の無断複製された鍵を使って、私のらないうちに持ち込まれていたものです。私は、彼女のしたことを絶対に許しません。警察にも、裁判でも、っていることをすべて証言します」

さんは涙を拭い、もう度く礼した。

部をた、私は廊のベンチに腰をろし、く息を吐きした。 たい蛍灯のが、リノリウムのに反射している。

午から、私の参考調の作成が始まった。 佐伯刑事ともうの記録係の警察官が、私のいち、由佳との会い、ルームシェアの経緯、鍵を複製された当の状況、そして張から戻った夜以の来事を、分刻みで確認していく。

「事件当夜――梨さんが浴で物音を聞いたのは、午分頃ですね」 「はい」 「その際、被疑者の宮澤からかけられた言葉を、もう度正確に再現してください」

私は記憶の引きしをこじけるようにして、あの夜の音声をいした。

「『今はどうしてこんなにく起きちゃったの?』……そう言われました」

「その調は?」 「すごく……穏やかでした。っている様子も、慌てている様子もなくて。まるで、毎緒に暮らしている族に声をかけるような、自然なトーンでした」 「そのの言葉は?」 「『もう戻って寝なよ。すぐ終わるから』と」

佐伯刑事はペンをらせ、調に文字を刻んでいく。 「宮澤は、あなたが栓をして寝ているため、物音には気づかないとを括っていたと供述しています。しかし、その夜は荷物を回収するためにどうしても洗面台をけ閉めしなければならず、の物音をててしまった。あなたが起きてきたことに気づいた彼女は、に逃げそうとして鉢わせるより、いつものようにやり過ごそうとしたようです」

「いつものように……?」

私はその言葉に引っかかりを覚えた。 「いつものようにって……どういうことですか」

佐伯刑事は瞬、くを止め、私をまっすぐに見つめた。 その瞳に、同と、言いにくそうな躊躇のが浮かんでいた。

「……梨さん。宮澤の供述ですが、彼女があなたの部にち入った回数は、彼女自があなたに言った『、回』ではありません」

背筋に、氷の刃を突きてられたような覚がった。

「……何回、入っていたんですか」

「宮澤の所持品から押収した帳に、詳細な記録が残されていました」 佐伯刑事は元の資料のページをめくった。

「彼女は、あなたがいつ張にるか、何曜の何にゴミしをするか、何に就寝するかを、過数ヶにわたってカレンダーアプリや帳に細かくメモしていました。

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