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"末席の男が放った三百億の通告" 第25話

俺のから言うことじゃない」

『……そうか。分かった。ただ、おが昨夜のあの席で、度も声を荒らげずに耐えてたこと……俺はちゃんと見てたからな』

「見ててくれたなら、それで分だ」

俺はそう告げて、静かに通話を切った。

松本は、族を養うのサラリーマンであり、メインバンクの取の娘に借り換えを盾に脅された被害者でもあった。その男が、百のでただ、リスクを冒して俺に話をかけてきてくれた。その事実を、俺は貞子のあのと同じ、切な抽斗へとそっと仕い込んだ。

午。

俺はもう度だけ、スマートフォンのグループLINEをいた。

タイムラインには、次会の追加写真や「来の幹事は誰にする?」といった呑気なメッセージが数件流れていた。エリによるつの傲な投稿は、タイムラインの部に、傷跡のように々しく鎮座したままだった。

午分。

突然、スマートフォンの画面が微かに滅した。

エリが投稿したつのメッセージのうち、番のものが、プツンと音をてるように消えた。

続いて、つ目が消えた。

つ目が消え――つ目の投稿が消えた。

わずか秒のに、昼に投された悪の塊が、すべて綺麗さっぱり消滅したのだ。

画面に残されたのは、『メッセージの送信を取り消しました』という無質なシステム表示の連続と、その直に宙吊りにされた、岡崎のくだらない返信、そして――

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『久さん、それは言いすぎだとう』

という、田貞子のあのだけだった。

何が「言いすぎ」だったのか、元の投稿が消えった今となっては、から見たには何も分からない。ただ、彼女の真っ直ぐな言葉だけが、静かな祈りのようにタイムラインにぽつんと取り残されていた。

その直、松本からい個別メッセージが届いた。

『消えたな』

俺はく打ち返した。

『久が、自分で消したんだ。それでいい』

『解』

松本からの返信は、それだけだった。その言を返すまでに、松本もまた、消えたメッセージと残された貞子のを、様々ないを巡らせながら見つめていたのだろう。

なぜ、久エリは自らメッセージを消したのか。

午分、彼女のに体何が起きたのか。

その真相を、俺はの曜、彼女の父親である久隆史本のから、克に聞かされることになる。

ここから先は、俺がそのに居わせなかった来事だ。

曜の午、あさぎホールディングスの応接で、久隆史取が自らの恥部を切隠すことなく、絞りすように語った事実である。

曜の午。

王本で執務に当たっていた久隆史は、法営業部から「あさぎホールディングスより、定期預億円の途解約を含む、総額百億円の預引き揚げ通告を受領した」

という緊急の報を受けていた。

担当役員と古川部が京本社へ急している旨の報告を受けた点で、久取は即座に「曜に私が直接向く」と秘に指示をしていた。

だが、その点では、久取はまだ理由の現物を読んでいなかった。

添付された名刺の写しを見た担当役員が、コンプライアンス統括部による内部事実の精査が完するまでは、取の机へ類をげるのを躊躇していたからだ。また取自も、現のバンカーとしての矜持から、百億円もの預がく真の理由は、部の報告ではなく、相が突きつけてきたの面によって確かめるべきだと決めていた。

午分、秘から俺の会社へ面談のアポイントの話が入った裏で、京から戻った古川部が、コンプライアンス統括部の宮信子へ調査結果を報告した。宮は昼過ぎの段階ですでに名刺の写しを受け取っており、独自に久エリに関する過の内相談記録を洗いし始めていた。

そして午。

誰もいなくなった王本の取で、久隆史は名の専務取締役をにして、初めて元に届いた理由と、宮が作成した調査報告をいた。

『理由は何か』

久取の問いに対し、役員は何も答えず、ただ理由の枚目を無言で指し示した。

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