"午前二時、ホテルから部屋を替われと言われた" 第4話
その作の端々に、プロのホテルマンとしての落ち着きではなく、現の制御を完全に失いかけているの怯えが滲みていた。
「警察はまだなんですか」
私が問い詰めると、松永支配は両をで組み、々と腰を折った。
「曽根崎署のパトカーがすでに向かっております。あと分ほどで到着するはずです。宮本様、まずはご無事で……本当によかった」
「何が『よかった』ですか! 説してください。あの男は誰なんですか。なぜ私のカードケースを持っていたんですか!」
は線を交わした。が唇を噛み締め、躊躇いながらをいた。
「……宮本様。実は、警察にお話しするに、私どものな保の過失について、率直にお詫び申しげなければならないことがございます」
「過失?」
「本、宮本様がチェックインされたのは午過ぎでした。その際、鍵をお渡ししたのは夕方のシフトの女性スタッフでした。……そのスタッフが、午頃に度フロントをれ、別のアルバイトスタッフが引き継いだ帯がございます」
の喉仏が、苦しげにした。
「午過ぎ、その男性が度、フロントに現れております」
私の血が逆流した。
「? さっきは午分に来たと言ったじゃないですか」
「度目、だったのです」
はに線を落とした。
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「度目の際、男性は『妻が先に入業している。チェックインのに夫の分のスペアキーを頼み忘れたと言っていたので、追加で枚発してほしい』と申しました。その際、男性は宮本様のご芳名と、お話番号の桁を正確に告げられました」
「私の話番号……?」
「はい。そして、対応したアルバイトの者が……本来であればご本様への内線確認、あるいは公分証の提示を厳格に求めなければならない規則を怠り、男性が非常に落ち着いたなりで、ごく自然に淀みなくお答えになったことから、正規のスペアキーを……枚、発してしまいました」
部の空気が凍りついた。
私は目のの男たちが何を言っているのか、脳が理解することを拒絶した。
「……鍵を、渡した?」
声が震えていた。りよりも先に、底れないたさが元からいがってきた。
「見ずらずの男に、私の部の鍵を渡したっていうの? 私が部にいるに?」
「変申し訳ございません!」
松永支配がに額がつきそうなほどくをげた。
「その、夜にシフトに入ったが、カードキーの発ログと宿泊台帳の突きわせ点検をいましたところ、〇号の追加キー発処理に審な点があることに気づきました。社内規定の承認印がなく、発理由の記載も曖昧だったためです。
そこでが審にい、〇号のマスターデータを度リセットし、発済みのスペアキーを無効化する続きを取ったのが、午分のことでした」
「無効化した……? じゃあ、その男は部に入れなかったのね?」
すがるようないで問いかけた。無効化したのなら、男は部に入れず、だからこそ分にフロントへ文句を言いに来たのだ。そうであってほしかった。そうに違いなかった。
しかし、は首を横に振った。
その表は、刑宣告をす執のように張っていた。
「カードキーの権限を失効させる際、私どもはドアの子錠の通信履歴を隔で取得いたしました。……宮本様」
は言葉を喉に詰まらせながら、ポケットから枚のプリントアウトされたを取りした。
「そのスペアキーは、午分に、度だけ使用されています」
ので、何かが音をてて砕け散った。
「失効処理がドア側の端末に完全に同期されるまでのタイムラグのに……男は、〇号のドアをけています。そして、センサーの記録によれば、ドアがいてから再び閉まるまでに、分秒の滞記録が残っております」
「分……秒……」
私は壁にをついた。膝の力が抜け、そのに崩れ落ちそうになるのを必で耐えた。
分。
私は寝ていた。
ベッドので、完全に識を放して眠っていた。
その私のので、見らぬ男が、ホテルの鍵を使って静かにドアをけ、部のに入り、分秒もの、そこにっていたのだ。