"四十九日の追放、母の隠し遺言" 第16話
達也さんも笑顔で湯呑みを配る。 座敷には、湯気の温もりと、穏やかな笑い声が満ちていた。 のあの、え切った台所の板ので、でべたあのたいお膳の記憶は、もうどこにもなかった。 ここには、母がし、私が守り抜いた、本物の族の温もりがあった。
皆が楽しそうに話している、私はふとちがり、縁側のミシンのに座った。 元のペダルにを乗せると、キコ、キコと、懐かしい鉄の軋む音が響く。
ミシンの製テーブルのには、母の記がかれていた。 最の付――の欄には、私の跡で、こう刻まれている。
『。れ。 兄夫婦、実より退。 母の遺志は守られた。 このと、母のしたミシンとともに、私はこれからのを歩んでいく』
私は引きしから、とりどりの布の端切れを取りした。 母が遺してくれた古い布だ。 これを縫いわせて、よしえ叔母さんや信子さん、達也さんに、しい提げ袋を縫おうとっていた。
カチャカチャ、カタカタカタ……。
ペダルを踏み込むと、物のミシンが、軽で力い音をてて針をかし始めた。 針、針。 布と布が、い糸で固く結ばれていく。
それはまるで、度は引き裂かれそうになった私のが、母のと、温かな々の絆によって、しく縫いわされていく音のようだった。
縁側から見げるの空は、どこまでもく、どこまでも澄み渡っていた。 私はミシンの針を見つめながら、ので静かに呟いた。
――お母さん。私、こので、を向いてきていくよ。
カタカタと響くミシンの音が、しい朝ののに、よく溶けていった。