みかん小説
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"血染めの写真と三文字のSOS" 第1話

コンビニエンスストアの自ドアをくぐり抜けた瞬、全を包み込んだのは、夜の帳がりるの独特な湿り気と、蛍灯のややかないだった。

夕方の内は、学帰りの学や仕事終わりの会社員たちで適度に賑わっており、総菜パンの甘い匂いと揚げ物のばしい油の匂いが漂っている。私は買い物かごを片に持ち、歳になる息子の太のを引いて、チルドケースの並ぶアイスクリームのコーナーへと歩みをめた。

「父ちゃん、今のアイスは何にする?」

太が凍ケースのガラス戸に顔をづけ、い息で曇ったガラス越しに並ぶ商品を覗き込みながら、弾んだ声で私を見げてきた。

「おが好きなのを選べばいいよ。俺は何でもいいから」

私は目を細め、太のにポンと軽くを置いた。

「じゃあ、チョコミント! 俺、やっぱりチョコミントにする!」

満面の笑みで青いパッケージのカップを両で掴み取った息子を見て、私はわず苦笑いを浮かべた。

「またそれか。お、本当にチョコミントが好きだなあ。たまには別のにしてみたらどうだ?」

「えー、これが番うまいんだもん。チョコの甘いのとスーッとするのが最なんだよ」

誇らしげにカップをかごのへと滑り込ませた太を促し、私たちはレジへと向かう列の最尾に並んだ。

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の客が公共料の支払いを済ませるのをぼんやりと待ちながら、私は財布を取りそうとポケットにを差し入れた。

そのだった。

元に、何かがふわりと落ちているのが界の端に引っかかった。

沢のある、名刺よりも回りきな方形の片。のいビニールタイルのに、裏返しではなく表を向けた状態で落ちていた。

何気なく線を落とした瞬、私の臓がトクンとさくねがった。

それは、枚の写真だった。

しかも、その写真のいフチの部分には、どす黒い赤をした異様なシミがべっとりと付着していた。

「……血……?」

わず、の端から微かな声が漏れた。

私は無識にかがみ込み、指先を伸ばしてその写真の端をつまみげた。沢のツルツルとした触とともに、指先にわずかな湿り気と、鉄錆のような微かな臭さが伝わってくる。血はまだ完全に乾いておらず、付着してからそれほどが経っていないことが々しく伝わってきた。

写真の表面には、さな女の子が写っていた。

齢は歳か歳くらいだろうか。きな瞳を輝かせ、カメラに向かって無邪気な満面の笑顔を向けている。背景には鮮やかな遊具がぼやけて写り込んでおり、どこかの公園で母親か父親がを込めてシャッターを切ったに違いない、温かな常のワンシーンだった。

しかし、そのらしい女の顔のすぐ横、写真のの角には、鮮血が擦り付けられたような跡がべったりと残されていたのだ。

「父ちゃん、どうしたの? それ、何?」

異様な空気を察したのか、太が私のの裾をキュッと引っ張りながら、そうに顔を覗き込んできた。

「いや……太、ちょっと待ってろ」

私はちがり、息をえながら、落とし主のがかりを探そうと写真を裏返した。

その瞬、私の喉の奥からヒッと息が吸い込まれ、全の毛穴が逆つような悪寒がった。

写真の裏面のい台には、ボールペンのインクで乱暴に、しかし必にかれた所が記されていた。そして、その所のすぐの余に、真っ赤な血そのものを指先につけて擦り付けたような、震える太い文字が鮮烈に刻みつけられていたのだ。

『SOS』

「な……なんだこれ……」

背筋にたい氷を直接押し当てられたかのような戦慄がった。

ただの悪戯ではない。この血の湿り気、震える跡、そしてこの切迫した文字。今まさに、この所の所で、誰かのに命の危険が迫っているのだ。誰かが、最の力を振り絞って助けを求めている。

「すみません!」

私は買い物の入ったかごをそのに置き、レジカウンターへとを乗りして員を呼んだ。

バーコードリーダーをにしていた代半ばの男性員が、私の切迫した表に驚き、目を丸くした。

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