"18年介護した義母が亡くなった翌日、私は横領犯にされた" 第13話
違いますか」
「ち、違う! 違うわよ!」
由加里の叫び声が裏返る。 全が刻みに震え、喪の袖が激しく揺れていた。
「お母さんがいたの! お母さんの志よ! 私じゃない!」
「いいえ、あなただけではありませんね」
私は枚目――最の証拠を取りした。 義母の文机の底板の裏から見つけした、あののカラー拡コピーだ。
「これは、佐子さんが、由加里さんに宛てて遺したです」
親戚たちのに、義母の達な文字が晒された。 私は、その節をを排した声で朗読した。
「『通帳の管理は、すべて美さんに任せるように仕向けます。あの女は学がないから、私がし優しくしてやれば、んで言いなりになるでしょう。あの子に全ての責任を背負わせます……のを、あのようなに乗っ取られてはなりません。あの子を追いし、の目を覚まさせるための最の仕事です』」
広に、墓のような静寂が落ちた。
誰も、息すらできない。 、良妻賢母として親族に君臨していた佐子さんの、あまりにも湿で、病な悪。 尽くしてくれた嫁を「」と呼び、実の娘の借を擦り付けて追いすための贄にしたという事実。
親戚の誰として、反論の声をげることができなかった。
「な……んだよ、これ」
沈黙を破ったのは、の掠れた声だった。
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はうようにしてのコピーにすがりつき、母親の跡を目で追っていた。
「母さんが……こんなこと……くわけがない……」
「おの母親の字だろ、」
宗男叔父が、吐き捨てるように言った。 その顔には、内の恥部をのに晒された屈辱と、ヤミという単語への恐怖が骨に浮かんでいた。
「由加里! 貴様、ヤミの借を母親に払わせた挙句、美さんに罪を着せようとしたのか!?」
「叔父さん、違うの! 私は――」
「黙れ! ヤミがこの寺や本に乗り込んできたらどうする気だ! の恥晒しが!」
「私だけのせいじゃないわよ!」
追い詰められた由加里が、ついに本性を剥きしにして絶叫した。 髪を振り乱し、座卓を蹴ばす。
「お母さんが言いしたんじゃない! 『あの棒猫にを継がせるくらいなら、あんたの借の代わりに叩きしてやる』ってお母さんが計画したのよ! が頼りないからでしょ! あんたがいつまでもあの女の尻に敷かれてるから、お母さんが狂ったんじゃないのよ!」
「お……母さんを巻き込んだのか!? 母さんの最期を、こんな汚いで汚したのか!?」
がちがり、由加里の胸倉を掴んだ。
「しなさいよ、無能! あんたが番悪いんじゃない! 美さんが怪しいって吹き込まれた、真っ先に疑ったのはあんたでしょ! 『母さんが嘘をつくわけない』って、あの女を追いしたのはあんたじゃないのよ!」
兄妹が、親族同の面で、血を流しう獣のように罵りい、掴みう。 位牌ので繰り広げられる、醜悪極まりない仕。
親戚たちは斉にずさり、関わりいを恐れて目を背けた。 「警察を呼ぶべきだ」「いや、うちは関係ない」「、おが責任を取れ」。 蜘蛛の子を散らすように、誰としてを止めようとはしなかった。
これが、が命がけで守ろうとした「世体」の成れの果てだった。
私はゆっくりとちがり、乱れた喪の裾を正した。 バッグにすべての類を戻し、ファスナーを閉める。
そのたい属音に気づいたのか、由加里を突きばしたが、ハッとして私を振り返った。
の顔は、涙とでぐしゃぐしゃに崩れていた。 世界が崩壊したの、れな瞳。
「み……美……」
が、ふらつきながら私へ歩み寄ってきた。 膝から崩れ落ちるように、私の元に両をつく。
畳にを擦り付けながら、夫は私の喪の黒いスカートの裾を、縋り付くように握りしめた。
「すまなかった……! 俺が違ってた! 母さんと由加里が、こんな……こんな酷いことをしてたなんてらなかったんだ! おを疑って、本当にすまなかった!」
「…………」
「やり直そう、美! 由加里とは縁を切る! 母さんの遺産も、俺は円もらない! おが受け取ってくれ! 頼むから……俺を捨てないでくれ!」
広に、の慟哭が響き渡る。 かつて私のを払い、妻を棒扱いして「百万をて替えろ」