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"「妻も了承した」夫が勝手に約束したのは、亡き母のマンションだった" 第7話

どこまでも、自分の非を認めない。 だが、その見苦しい悪あがきも、私には定内だった。

「お義母さん。気に入らないのは結構ですが、私が誰に何を売ろうと、それは私の自由です。私には、あなたたちに母の遺産を差しす義務も義理もありません」

「なっ……!」

「そして、今切、悟さんを通した嘘の伝言で私を攻撃するのはやめてください。話があるなら、直接私ので、事実だけを話してください」

私はそれだけを告げ、誰よりも先に座布団からちがった。 「それでは、失礼します」

背で義母がヒステリックに何かを叫んでいたが、その声はもう私のには届かなかった。 玄関をて、たいの空気をく胸に吸い込む。

さな、だが決定な勝。 夫がかけて築きげた「無謬の調者」という仮面は、自らの肉親のによって、音をてて剥ぎ取られたのだ。

そのの夜。 自宅へ戻った夫は、玄関のドアをけるなり、靴を脱ぎ散らかしてリビングへ崩れ込んできた。

昨夜とは比べ物にならない、剥きしの憎悪に満ちた目。 あのは鞄をに叩きつけると、私の胸ぐらを掴まんばかりの勢いで鳴り散らした。

「お、いい気だったな!!」

私はソファのでち止まり、静に夫を見つめ返した。

「何が?」

「何がだ!? 親と妹たちので、散々俺を吊るしげて恥をかかせやがって! 俺のを潰して、そんなに面かったのかよ!」

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顔を真っ赤にし、喉を掻きむしるように叫ぶ夫。 そこにいたのは、いつもの穏やかで優しい夫の面など微もない、プライドを傷つけられて暴れるだけの浅ましい男だった。

「私は事実を確認しただけよ。恥をかいたのは、あなたが嘘をついていたからでしょう」

「嘘じゃない! 俺は族のために良かれとって……!」

「私の財産を勝に差しすことが、どうして良かれとうことになるの? あなたが守りたかったのは族じゃない。族ので『頼れる男』でいたいという、あなたのっぺらい見栄よ」

私の容赦のない言葉に、夫の呼吸が止まった。 図を突かれ、言葉を失った夫の顔が、屈辱で醜く歪む。

「……お、本当にげがないな」 夫は絞りすような、い掠れ声で言った。 「そんなに理屈ばっかり並べて、俺を追い詰めて楽しいのか? 誰のおかげで今まで平穏に暮らせてきたとってるんだ」

「平穏?」 私は乾いた笑い声を漏らした。 「私の悪を族に吹き込み、私を孤させて作っていた平穏が、あなたの言う平穏なの?」

夫は忌々しそうに舌打ちをし、寝のドアを乱暴に閉めて閉じこもった。 暗いリビングに、私が取り残される。

勝ったはずだった。 夫の嘘を暴き、義実の当な求を退けた。 けれど、私の胸のに残ったのは、勝利の余韻などではなく、底れない寒気だった。

あのは、まだ反省していない。 追い詰められ、仮面を剥がされたことで、今度は私に対する敵を隠そうともしなくなっている。

スマートフォンが、テーブルのでく震えた。 画面をくと、綾子さんと真紀さんから、同にメッセージが届いていた。

真紀さん: 『奈美さん、今は本当にごめんなさい。……お姉ちゃんと話したんだけど、、だけで会えないかな? お兄ちゃんにも、お母さんにも内緒で』

綾子さん: 『奈美ちゃんに、どうしても見せなきゃいけないものがあるの。母のスマホに残ってた、の……奈美ちゃんのお母さんがくなったの、お兄ちゃんからのLINE』

。 母がくなった、あの。

私の臓が、ドクンと嫌なね方をした。 画面を見つめる私の指先が、再びたく張っていく。

メッセージに返信を打とうとした、その瞬だった。

背から伸びてきたが、私の界を遮った。 息を呑む暇もなく、たいが気に伸びてきて、私のスマートフォンの画面をから乱暴に押し潰した。

「……奈美」

元に落ちてきたのは、背筋が凍るほどく、粘りつくような夫の声だった。 いつのにか寝から抜けしてきた夫が、私の背にち塞がっていた。

暗いリビングの、夫の双眸が、底れぬ暗を湛えて私を見ろしている。

「お、最うちの族と何をコソコソ探ってるんだ?」

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