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"結婚3週間前、私のマンションを「弟に10%譲れ」と言った婚約者" 第14話

弁護士の監修のもと作成した、極めて質な通文を匠の番号へ送信する。

『杉匠様 本、ご実宛てに残置私物(段ボール3箱)を着払いにて発送しました。また、結婚準備座を解約し、貴殿の拠全額を貴殿座へ送完しています。式解約に伴う違約は当方が全額負担し、求償はいたしません。 自宅の鍵はシリンダーごと交換済みであり、今、敷内への侵入や当方および親族への接触を試みた、直ちに建造物侵入およびストーカー規制法違反として警察へ通報します。これをもって、貴殿との切の関係を終します』

送信ボタンを押し、画面を伏せる。 それから、匠の連絡先、義母の番号、そして健太の連絡先を、切の躊躇なく完全着信拒否に設定した。

彼らの破滅は、私のかられたところで、凄まじい速度をもって連鎖していった。

そのの夕方、共通のである佐々から、驚きと呆れの混ざった話が入った。 「里奈、聞いたぞ……。お、本当にあの料亭で全部ぶちまけたんだな」

佐々の話によれば、料亭での醜態は、同席していた親族の叔父を通じて、即座に杉の親戚同へとれ渡ったという。 「頼れる男」として親族の集まりで胸を張り、弟にを分けてやる甲斐性があると吹聴していた匠のメッキは、完全に剥ぎ取られていた。

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自分の婚約者の資産を無断で転売しようとし、あまつさえ弟に貸した万を回収するために罠を仕組んでいたという事実は、親族たちのに凄まじい嫌悪を撒き散らした。

「親戚から話が鳴り止まないらしいよ。『内の恥晒し』『詐欺まがいの棒族』って総スカンをらって、匠の母親、所の目もあってを歩けない状態らしい」 佐々は吐き捨てるように笑った。自業自得だ。世体という張り子を守るためにを踏みにじろうとしたが、その世体によって社会なを迎える。これほど完璧な因果応報はなかった。

さらに惨だったのは、弟の健太だった。 川美穗の実は、健太の誠実な裏切りに対して容赦のない鉄槌をした。美穗の両親は即座に弁護士をて、美穗が結婚準備として預けていた百万円の即返還を求。同に、婚約破棄に伴う慰謝料の請求通を内容証で突きつけてきた。

ろ盾となるはずだった「マンションの持分」はと消え、残されたのは消費者融の百万と、美穗側への巨額の賠償義務だけ。 健太は連、消費者融からの督促話と、美穗側の弁護士からの催告に追われ、精神に完全に追い詰められているという。

そして、匠が密かに回収を目論んでいた「健太への貸付万円」

は、回収能の良債権となって完全に消滅した。 弟を救うどころか、族全員で共倒れの沼へ転がり落ちていく。誰としての痛みを像できなかった寄虫たちが、奪いおうとした獲物を失い、互いの肉をらいっている無様な結末だった。

季節はにみ、の初旬を迎えた。 本来であれば、私たちがいタキシードとウェディングドレスをに纏い、偽りの祝福を浴びているはずだった週末。

私の部には、の柔らかな温もりと、淹れたてのコーヒーのりが静かに満ちていた。 リビングの央には、同居を始めた当初、匠が「将来の族のため」と言って運び込ませた、きすぎる掛けのダイニングテーブルがまだ鎮座していた。

私はちがり、テーブルの縁を撫でた。 未練など片もない。ただ、粗ゴミの回収続きが平の仕事の忙しさで回しになっていただけだ。 私はスマートフォンで粗ゴミ受付センターのウェブサイトをき、躊躇なく破砕処理の予約を入れた。数料の支払いを済ませると、部のに残っていた最の異物が、完全に消える筋がついた。

そのの午、静まり返った部で本を読んでいると、画面の隅でショートメッセージの受信通が点滅した。 話番号そのものを変えていなかったため、SMSの通だけがすり抜けて届いたのだ。

送信元の表示はないが、本文の冒を見ただけで、誰からのものかはだった。

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