"夫の親孝行は、私の持ち家でした" 第12話
修が顔を真っ赤にして叫び、類を奪い取ろうとを伸ばした。
私はその腕を鋭く払い除け、帳から枚目の類を取りして卓に叩きつけた。
「そして、これが修さんの作成された資計画です」
に印字された、エクセルの表。
私はその最段を、親戚全員に見えるように指先でく叩いた。
「現自宅の売却代千百万円を全額として吸いげながら、居の所権名義は【修・単独所】。そして同居予定者には、義母、義弟夫婦の名が連なり、私の名は番に付けされているだけ」
私の声は、の夜の氷のように研ぎ澄まされていた。
「私の固財産を丸ごと奪って換し、夫個の名義のにロンダリングする。そして自分は銭のもさずに、親族ので『族を養う派な男』として振るう。……これが、この男が描いた計画の全貌です」
親戚たちの線が、瞬にして修へと突き刺さった。
軽蔑。困惑。そして、底れぬ浅ましさを見るような目。
「修……これ、本当なのか……?」
本の叔父が、く絞りすような声で問い詰めた。
「お、真由美さんの独代の持ちを勝に売って、自分ひとりの名義のマンションを買おうとしていたのか……?」
「ち、違います叔父さん! これは、族で話しって……!」
修の声がずり、喉仏が激しくする。
広告
「話しってなどいません」
私は容赦なく言葉の刃を突きてた。
「今週の曜、央産から私の職に確認の話が入るまで、私は査定にされていたことすららされていませんでした。夫は産に対し、『妻の承諾は取ってある』と虚偽の申告をして、勝に売却続きをめていたのです」
枚目の類――産会社が発した『売却査定終確認』が、卓に追加された。
そこには『配偶者による虚偽申請の疑いにより続き止』の文言が、赤字で印刷されていた。
言い逃れの余を、分子レベルで消滅させる証拠の連撃。
修はガタガタと膝を震わせ、唇を青ざめさせてち尽くしている。
子は顔を真っにしてを閉させ、魚のようにパクパクと息を吸うことしかできない。
私は座敷を見渡し、全員の目を見据えながら、最の撃を宣告した。
「央産には、所者として正式に通告しました。夫への代理権は切せず、売却のは微もないと。……私は、あのを売る気など絶対にありません。円たりとも、びた文たりとも、この男の見栄のために換させる気はありません」
絶対零度の拒絶。
夫が親族ので積みげた「派な男の」が、台から音をてて々に崩壊した瞬だった。
その沈黙を破ったのは、親戚たちの非難の声ではなかった。
ガタアンッ!
座卓がねがるような轟音とともに、義弟の浩が猛然とちがった。
その顔はりと恐怖で気に変し、血った目で修を睨みつけていた。
「おい……兄貴! ちょっと待てよ!! どういうことだよこれ!!」
浩が修の胸ぐらを掴まんばかりにを乗りす。
「居のがないって……が売れないって、どういうことだ!? うち、もう今のアパートの管理会社に、来末での退届しちまったんだぞ!?」
修の目が、絶望に見かれた。
「兄貴、どういうことなんだよ!?」
浩の声が、静まり返った個の井を突き破るように響いた。
座敷の空気が瞬にして張り詰め、のの掛け軸がわずかに揺れる。
「お……声がきいぞ、浩! 叔父さんたちのでみっともない真似をするな!」
修は顔面から血の気を引かせ、狼狽しながら両を振った。
だが、その制止がに油を注いだ。
「みっともないのはどっちだよ!」
浩は座卓を蹴りばさんばかりの勢いでを乗りし、兄の胸ぐらに掴みかかった。
「お、先週うちに来たとき何て言った!? 『もう居の話は固まったから、アパートの更料払うのはの無駄だ、さっさと解約しろ』って、自分から焚きつけたじゃねえかよ!」
美智子も血相を変えてちがり、甲い鳴のような声を張りげた。
「そうですよ! 私たち、産に退届しちゃったんですよ!? 来末には部をけ渡さなきゃいけないの! 今さら取り消せるわけないじゃないですか! 違約はどうなるんですか!?」