"夫の親孝行は、私の持ち家でした" 第8話
「そうですよ。お義兄さんは課さんなんだし、甲斐性があるんですから。お義姉さんはししないで、黙って支えてあげればいいじゃないですか」
しするな、か。
私はので、たい笑みをく刻んだ。
この連は、本当に信じているのだ。
居のが、すべて修の「甲斐性」と「稼ぎ」から湧きてくるものだと。
そのの源泉が、私が代の血と汗で買い、今まさに彼女たちが座っているこのの売却代だという事実に、い至りすらしていない。
修が真実を言っていないのだ。
「妻の持ちを売ってにする」などと言えば、自分の男としての威厳が保てないから。
「俺がを買い直して、おたちを養ってやる」と、見得を切ったに違いない。
「わかりました」
私は穏やかに頷いてみせた。
「浩さんたちのご向はよく理解できました。修さん、今の話もしっかり踏まえて、資計画に反映させてくださいね」
修の喉仏が、ゴクリとした。
や汗がこめかみを伝っているのを、私は見逃さなかった。
夕方、弟夫婦は「じゃあ、解約の連絡入れとくからねー! 具のカタログ見といてよ!」と言い残し、嵐のようにっていった。
夜の。
自のベッドで横になっていると、スマートフォンの画面がくった。
LINEの通。
送り主は、弟嫁の美智子だった。
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メッセージをく。
『お義姉さん、さっきはちょっと言い過ぎちゃってごめんなさい(汗)。でも確認なんですけど、居では私たちもずっとんでいいんですよね? 兄貴は「気にするな、面倒見る」って言ってくれてるんですけど、お義姉さんがさっきおの話をしてきたから、ちょっとになっちゃって。ずっとめるってことで確定なら、アパートの解約届しちゃいますね!』
画面を見つめる私の瞳に、暗いが宿る。
『ずっと』
『面倒見る』
指先が微かに震えた。
りではない。
獲物が自ら首を差ししてきたことに対する、狩としての徹な歓だ。
私はメッセージに返信をしなかった。
ただ静かに、その画面のスクリーンショットを撮した。
撮のタイムスタンプ。
美智子のアカウント名。
そして「ずっとんでいいんですよね」という、永の図を自した文面。
画像を暗号化された部ストレージに即座にバックアップし、端末内の履歴を保護した。
これで、弟夫婦の言質は完全に取れた。
「な避難」でも「な同居」でもない。
最初から私の資産にタダで寄するつもりだったという、かぬ証拠。
そして翌週の曜の夜。
ついに、その瞬が訪れた。
「真由美。……ほらよ、言われた通り作ってやったぞ」
リビングで、洗濯物を畳んでいた私のに、修が枚のA4用を叩きつけるように置いた。
得満面な、傲さを隠そうともしない笑みを浮かべている。
「会社のパソコンのエクセルで、きっちり試算してやった。これを見れば、おの細かいなんて全部消しぶはずだ」
私は畳んでいたタオルを丁寧に置き、そのを両で持ちげた。
几帳面に罫線が引かれた表。
番には、太字でこうかれている。
『居購入および族同居に関する総資計画』
線をへと滑らせる。
【購入物件】グランドメゾン 最階角部(4LDK)
【購入総額】千百万円(諸経費概算含む)
そして、そのの「資調達内訳」の欄。
私の指先が、の縁をく圧迫した。
【自己資()】千百万円
※現自宅(邸)売却代を全額充当
【借入】千百万円
※宅融支援構(フラット35)修単独名義にて申請
の千百万円の横に、さく米印でかれた「現自宅売却代を全額充当」の文字。
私の資産の全額換、そして全額の吸いげ。
だが、私の臓を真に凍りつかせたのは、その最段だった。
【居権利関係】
所権名義:修(単独所)
【居同居予定者】
修(世帯主)
子(母)
浩(弟)
美智子(義妹)
真由美(妻)
私の名が、番最に、まるで付けしのようにさく記されていた。
妻の婚財産を全額売り払って作った千百万円をにし。
居のの権利は、すべて夫の名義にし。
義母と、無職の弟と、その妻を永久に養うを完成させ。