"サンダル履きの妻を、夫が売る日" 第18話
、度も曇らせたことのない誇りが、胸の奥で静かに脈打っていた。
会社の正面玄関をると、抜けるようなの青空が広がっていた。
だが、私にち止まっているはない。
スマートフォンを取りし、事に配しておいた番号をタップした。
「先、藤原です。予定通り、審査会での事実関係の確定が完しました。これから事務所へ伺います」
駅の雑居ビル階にある、法律事務所。
婚問題と企業法務を専とする女性弁護士のは、私が持ち込んだ分い証拠類の束を、眉つかさずに検分していった。
机のに並べられたのは、つの決定な記録。
つ、夫・藤原健太が私の斎から社秘ファイルを無断持ちし、理の経歴資料として改ざんした子ファイルの作成ログ。
つ、健太コンサルティング・パートナーズの座へ、取引額のパーセントをキックバックさせようとした見積仕様の原本。
つ、過にわたり、私の個与座から夫の私債務の穴埋め、および義母のフジワラフーズへ振り込まれた総額千百万円に及ぶ送細の束。
つ、本朝に止した、義母が私名義で使い放題にしていた族カードの利用履歴覧。
弁護士が類から顔をげ、さく息を吐いた。
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「見事なまでの証拠力です。これだけの客観証拠が揃っていれば、夫側の責性はかしようがありません」
「先、私の希望はつだけです」
私の声には、躊躇も傷もなかった。
「切の状酌量を排した、迅速かつ完全な関係の清算です。あの男と義母が、私のから完全に退すること」
「分かりました」
弁護士は元の用にペンをらせた。
「請求の骨子は点。第に、婚姻関係の破綻に伴う責配偶者としての慰謝料請求、百万円。第に、持ちである現のマンション――および宅ローンの割をあなたが負担している登記記録に基づき、物件の単独所権の移転、もしくは夫の持ち分の制買い取り。第に、過の当な資流用に対する財産分与での清算」
「健太は、すんなり応じるでしょうか」
「拒否すれば、本の背任未遂および企業秘密侵害の件を、彼の勤務先企業のコンプライアンス窓へ正式に通報することになります。相は堅企業の営業管理職でしょう? 取引先との癒着や裏作の未遂など、見すれば発で懲戒解雇事由です。相に選べるはありませんよ」
弁護士の徹な言葉に、胸の奥の最のがスッと溶けていくのをじた。
「続きをお願いします。私は今から自宅へ戻り、の回りの荷物を引き払います」
「鍵の交換業者を配しておきましょうか?」
「いえ、結構です」
私はちがり、コートを羽織った。
「あのに未練はありません。捨てるべきものは、すべてあの男にくれてやります」
午。
静まり返った自宅の玄関ドアをけた。
リビングは荒れ果てていた。
には脱ぎ捨てられた夫のネクタイとスーツ。
ローテーブルのには、み干されたビールの空き缶が何本も転がり、皿には吸い殻が盛りになっていた。
ソファーのに、夫が両でを抱えて座り込んでいた。
音に気づくと、弾かれたように顔をげる。
充血し、涙と脂で汚れ切った顔。
「ま……真紀……!」
夫はうようにしてちがり、私へと駆け寄ってきた。
伸ばされたを、私は半歩退いて酷に避けた。
空を切った夫のが、無様に泳ぐ。
「真紀、頼む! 話を聞いてくれ! あれは違うんだ、俺は騙されていたんだ!」
「何が違うの?」
「理ちゃんが……あの女が、『絶対にバレない、みんなが幸せになるスキームだ』って俺を唆したんだ! 母さんも『フジワラフーズの最のチャンスだ』って泣きついてきて、俺は男として……族のために仕方なく!」
「族のため?」
私の唇から、乾いた笑が零れ落ちた。
「あなたの言う『族』のに、連れ添った私は入っていたのかしら」
夫の喉が、ヒッと鳴った。
「私の斎に忍び込んで、私がをすすって作った資料を盗みし、
見らぬ女の経歴に仕てげて、
私の担当顧客を奪い、