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"「月5万払うから」離婚した私に介護を頼む元夫" 第2話

私の問いに、義母は瞬だけ線を逸らし、すぐにふんと顔を背けた。

「あの子は仕事が忙しいの。余計な配をかけたくないのよ。体ね、も私の好みを番ってるのは美さんでしょ。しいお嫁さんにいちいち指図するのも疲れるし、美さんがやるのが番丸く収まるのよ!」

このは本気なのだ。自分を追いし、浮気相としい活を始めた息子に気兼ねし、その息子が嫌がる「母親の介護と活の世話」を、捨てたはずの妻に丸投げしようとしている。

「お断りします」

私はドアノブを握り直した。

「冗談ではありません。警察を呼びます」

「け、警察!? 親に向かって何てこと言うの! 恩らず! 者! 誰のおかげで佐伯のにいられたとってるの!」

義母は狂ったようにドアを叩き始めた。ガン、ガンと鉄の扉が鳴り響く。

「けなさい! 健の嫁のくせに、私をに迷わせる気!?」

隣の部のドアが、わずかに軋む音がした。所のが様子を窺っている。これ以、この所で醜態を晒すわけにはいかない。しかし、絶対にチェーンをしてに招き入れてはならない。度でも敷居を跨がせたら、この老は度とていかない。

私はポケットからスマートフォンを取りした。震える親指で連絡先をく。削除したはずの元夫の番号を、履歴の奥から引っ張りした。

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発信音。ワンコール、ツーコール。祈るようないで待つと、回目で嫌そうな男の声が響いた。

『……もしもし。何だよ美、もう続きは全部終わったろ』

「健さん。今すぐ、あなたの母親を引き取りに来てください」

受話器の向こうで、息を呑む気配がした。

『……は? 何言ってんだよ』

「お義母さんが、きなスーツケースをつ持って私のマンションのにいます。今、ドアを叩いて声をげています。所迷惑です。今すぐ来てください」

私の声は、自分でも驚くほどく震えていた。話の健は、しばらくの沈黙の、気まずそうに舌打ちをした。

『ああ……着いたのか。母さん、本当にっちまったんだな』

「っていたの?」

『ってたっていうか……母さんが、おのとこにくって言いしてさ。いいだろ別に、数くらい泊めてやったって。おだって急にになって広い部持て余してんだろ? 母さんも慣れてるおのほうが気が楽だって言ってるんだからさ』

全の血が逆流するような覚。こいつは、母親がここへ来ることをっていて、止めもせずに送りしたのだ。

「健さん、よく聞いて」

私は受話器をく握りしめ、徹な声で告げた。

「玲奈さんに、同居を拒絶されたんでしょう?」

話の向こうで、完全に息が止まった。

『な……何でそれを』

「当たりでしょう。代のバリバリ働いている女性が、息子の世話すら自分でできない過ぎの母親と同居なんてむわけがない。

あなたが母親を連れてくるなら同居しないと言われた。そうでしょう?」

痛いところを突かれた健は、言葉を失って呻いた。

、庭の裏方をすべて私に押し付けてきた男の浅恵など、に取るように分かる。しい女と華々しい再スタートを切りたい。だけど母親を老ホームに入れるは惜しいし、世体も悪い。実にで置いておけば、事や通院の配で自分が呼びされる。だから、「子どものいない、暇で慣れた元妻」に押し付ければすべて解決する——そういついたのだ。

「今から分以内に来てください。来ないなら、法侵入とストーカー為として警察に通報します。管理会社にも連絡して、警察官ち会いのもとで排除してもらいます」

『ま、待てよ美! 母さんは齢なんだぞ! 警察なんて呼んだらどうなるか……!』

「関係ありません。あなたたちにとって私はもう赤のです。あと分です」

通話を方に切った。

ドアのでは、息子の名を聞いた義母が、しだけ怯んだように静かになっていた。しかし、相変わらずキャリーケースのにどっかりと腰をろし、腕を組んで通を塞いでいる。

「……健が何て言ったからないけどね、あの子が私を捨てるわけないでしょ。あの子は優しい子なんだから」

虚勢を張る義母の声が、暗くなった廊に虚しく響く。

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