"「本当の父親です」と乾杯した夫、148万円の請求書には知らん顔" 第15話
自分ので汗をかかずに、の信用を掠め取ってきたツケが回ってきただけ」
「真由美……お、夫がこんな目に遭ってるのに、しは力になろうとかわないのか!? お義父さんに頼んでくれよ! 藤沢社に『あれは誤解だった』って、今からでも話本入れてもらえれば……!」
「まだ言ってるの?」
私は乾いた声で言い捨てた。
「お父さんは、あなたの具じゃない。私の族を自分の世の踏み台にしようとすると、これ以緒に暮らすつもりはないわ」
そのだった。夫のスマートフォンではなく、リビングの固定話がけたたましい音をてて鳴り響いた。
受話器を取るまでもない。発信者番号のディスプレイに表示された桁。義母の千代子さんからだった。
スピーカーホンにするつもりもなかったが、受話器をに当てた瞬、鼓膜を破らんばかりの声がリビングに響き渡った。
『真由美さんッ!! あんた、体どういうつもりなの!?』
ヒステリックに裏返った、義母の切り声。
『旅会社からキャンセル料の請求が届いたわよ! 万円!? なんで私たちがそんなおを払わなきゃいけないのよ! 旅にけなくなっただけでも屈辱なのに、なんでおまで取られるのよッ!』
に倒れ込んでいた夫が、ビクッと肩をねげる。私は受話器をしからし、氷のように澄んだ声で答えた。
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「期までに代のお支払いがなかったため、旅会社の約款通りに自キャンセルとなった結果です。契約に記載されている通りの正規の続きですよ」
『あんたが払えば済む話だったじゃないの! いつもみたいにカードを切れば! なんで嫁の分際でそんな悪をするのよ!』
「お義母様」
私は言葉を遮った。を切交えず、淡々と、事実だけを喉の奥から押しす。
「お義母様がヨーロッパへかれるのは、お義母様のご自由です。私にはそれを止める権利もありません。ですが、私がその費用をすと約束した覚えは、過に度もございません」
『族でしょうが! 健太郎を産み育ててやった親に対して、その態度は何なのよ!』
「健太郎さんを育ててくださったことには謝いたします。ですから、その謝と孝は、健太郎さんご自の座からお受け取りください」
『健太郎は今変なのよ! さっき話で聞いたわ、会社で酷い目に遭わされてるって! あんたの親父のせいで息子の世がパーになったって泣いてたわよ! よくもそんな恩らずな真似ができたわね!』
受話器の向こうの義母は、息を荒らげて喚き散らしている。息子の正には切目を向けず、ただ『自分たちの都のいい財布』が消えったことに発狂しているだけだった。
「息子の世が断たれたのは、健太郎さんがの名を騙って虚偽の類を作成したからです。警察汰にならなかっただけでも寛な処分ですよ」
『なっ……!』
「それから、もう度とこの番号にはかけてこないでください。活費の補填も、サプリメントの定期便も、すべて解約いたしました。今のご連絡は、すべて息子さんの携帯へ直接お願いいたします」
『ちょっと、真由美さん! 待ちなさいよ! 真由美さ――』
受話器をフックに戻す。カチャリ。いプラスチックの衝突音が、義母の喚き声を完全に遮断した。
リビングに、たい沈黙が戻った。夫はに突っ伏したまま、震えるでを塞いでいた。
「……健太郎」
私は類棚から、あらかじめ用しておいた青いクリアファイルを取りした。
「これにサインして」
夫が恐る恐る顔をげる。差しされた類の表題を見た瞬、夫の顔から完全に血の気が引いた。
【および債務承認弁済契約】
「……な、何だよこれ」
「古希祝いで、あなたが勝に増やした43名分の代。128万円。それから、あなたが私の座から無断で引き落としていた私な費用の精算。……全額を括で払えとは言わないわ。あなたのしい与体系にわせて、々万円ずつ、公正証を巻いて分割で返済してもらうわ」
「こ、公正証……? 夫婦ので、そこまでするのかよ……!」
「夫婦だからよ」
私は夫の目を、見ろすように見据えた。
「曖昧にして、うやむやにして、の善にタダ乗りする関係は、今で完全に終わり。