"「本当の父親です」と乾杯した夫、148万円の請求書には知らん顔" 第3話
『自分の親のは、自分で払うのが当たりだ』と。健太郎さんの理論に従えば、お義母様は私にとって義理の母であり、私の実の親ではありません。したがって、私が負担する理由がございません」
受話器の向こうで、義母が息を呑む音が聞こえた。次の瞬、鼓膜を破らんばかりの切り声が炸裂する。
『あなた、嫁のくせに何を言ってるの!? 嫁が夫の親の面倒を見るのは当たりでしょうが! うちののになったんでしょうが!』
「健太郎さんは昨、私の父を『おの親だ』と切り捨てました。都のいいときだけ族の枠組みを使い、都が悪くなると境界線を引く。そのような基準には、今切お付きいいたしません」
『ちょっと、真由美さん! 健太郎に言いつけてやるわよ! タダじゃ済まないからね!』
「どうぞ。健太郎さんご自の座から、お母様孝をして差しげてください。それでは、勤準備がありますので失礼いたします」
通話終の赤いボタンを押す。ツーツーという無質な切断音。
画面を見つめる私の指先は、かすかに震えていた。けれど、胸の奥にあったドロドロとした鉛のようなみは、議なほど消えっていた。
24。波をてないため、健太郎の顔をてるため、良い嫁として認められるため、求められるままに財布をき続けてきた。
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だがそれは、族の絆などではなかった。ただの『都のいい集装置』として消費されていただけだ。
計の針は午8を指していた。私は会社へ向かうに、リビングのデスクでノートパソコンをいた。
やるべきことは、な喧嘩ではない。徹な『契約の解除』だ。
まず、クレジットカード会社のマイページにログインする。私名義のメインカード。そこから発されている、枚の族カード。健太郎が財布に入れ、ゴルフやみ会、見栄を張るための会で自由に使ってきたカードの管理画面をく。
【族カード利用止続き】
確認画面のポップアップがる。理由を選択する欄には『自己都』。私は迷わず、実ボタンをクリックした。
次に、座の自引き落とし細をく。義母のために毎引き落とされていた項目の数々。週回届く級材の宅配サービス、額1万8000円。義母がしている健康サプリメントの定期購入、額2万2000円。佐伯の親戚付きいのために積みてていた互助会費、額1万円。
全部、私の座からだった。『健太郎の料だけじゃカツカツだから、助かるわ』と義母に笑われ、夫には『真由美はしっかり者だな』とを撫でられ、すっかり麻痺していた。
すべて解約。即止ができない契約のものだけ、次回更止のフラグをてる。
完の通メールが、スマートフォンの画面に次々とポップアップしていく。画面を閉じたとき、24私の首を絞め続けていた見えない鎖が、パラパラと音をてて千切れていくような覚がした。
「よし」
私はちがり、トレンチコートを羽織って刈のオフィスへと向かった。
午2過ぎ。調達部のデスクで部品の納入仕様をチェックしていると、内ポケットのスマートフォンが激しく振した。画面には『健太郎』の文字。
私は席をち、湯の奥の非常階段へ移した。
「もしもし」
『おい真由美!! お、カードに何したんだよ!!』
受話器の向こうから、声が鼓膜を突き刺す。周囲の雑音からして、どこかのゴルフ練習かカーショップのレジのようだった。
「何って、何のこと?」
『何のことじゃないだろ! 今、しいドライバーの代を払おうとしたらよ、『このカードはお取り扱いできません』って言われたんだよ! 員ので恥かかせやがって! 何かの違いだろ、今すぐロック解除しろ!』
「違いじゃないわよ。今付けで、健太郎の族カードは利用止にしたから」
『……はあ!?』
夫の息が止まるのが分かった。
『お、正気か!? なんでそんなことすんだよ! 俺のカードだぞ!』
「いいえ、私の座に紐づいている族カードよ。本会員は私。解約する権限は私にあるわ」
『ふざけんな! 午におふくろにした話もそうだ! 泣きながら話かかってきたぞ! 『どちら様でしたっけ』って何様だお! おふくろのヨーロッパ旅の、今が支払い期限なんだぞ! くカード戻して払えよ!』