"「次男にこの家を譲ります」義母が宣言したのは私名義の家だった" 第11話
今にあなたのから訂正がなされない、私の顧問弁護士から相方の法務部へ、直接内容証郵便を発送します」
「義姉さん……そしたら、械が……」
「械を引き揚げられ、を縮することになっても、それはあなたが背負うべき経営責任よ。の財産を勝に担保予定として吹聴し、破滅を先送りにしてきたツケを、自分で払いなさい」
亮介は脂汗を滲ませ、テーブルのに置かれたスマートフォンを見つめた。 泣きしそうな顔で、震える指を液晶画面へと伸ばす。 もはや、逃げはどこにも残されていなかった。
私は夫のに歩み寄り、たく見ろした。
「健太さん、の鍵をしなさい」
「……え?」
「社用で来たんでしょう。私はで横浜へ戻るわ。あなたも、自分ので帰りなさい」
夫は虚ろな目で私を見げた。 その瞳には、今更ながら事のさに気づいた絶望が濃く張り付いていた。
「美咲……待ってくれ、美咲! 頼むから、度でちゃんと話そう! 俺が悪かった、俺が全部悪かったから……!」
すがりつこうと伸ばされた夫のを、私はミリも触れさせずに躱した。
「話すことなんて、もう何もないわ」
プレハブのいアルミドアを押しける。 川崎のの空の、たい潮が頬を打った。 背から聞こえる夫のけない泣き声も、亮介が取引先に平謝りを始めた震え声も、すべての音のに消しっていった。
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横浜に戻った私は、自宅マンションへ直した。
傷に浸っている暇など、分秒もなかった。 相は、自己保のためなら妻の資産を欺瞞で奪おうとする男だ。次にどんな暴挙にるか分かったものではない。
寝のクローゼットをけ、型のスーツケースを広げた。 数分の着替えと化粧品。 そして何よりな、仕事と資産の防に必な物証の回収。
事務所の登記簿、個の通帳、印鑑登録カード、実印。 そして、あのに義母へ貸しした戸建ての権利証と、登記事項証。 すべてを防ケースに詰め、スーツケースの底に厳に収めた。
共名義にしていた活費決済用の座の残を確認する。 夫の与が振り込まれる座とは別に、私が活費のしとして毎万円を自送していた設定を、ネットバンキングでそので即座に解約した。
これ以、このの活維持のために、私のは円たりともさない。 兵糧攻めだ。 の善を当たりのように貪ってきたに、その善が消えた現実を骨の髄まで理解させるための。
荷造りを終え、スーツケースのジッパーを引いた、リビングの固定話がけたたましく鳴り響いた。
ナンバーディスプレイを見る。 義母のむ、あの戸建ての番号だった。
受話器は取らない。 留守番話に切り替わる子音が鳴り、数秒、スピーカーから義母の号が部に響き渡った。
『美咲さん!! あんた、健太に何を吹き込んだのよ!!』
を塞ぎたくなるような切り声。 息を荒げ、受話器を握り潰さんばかりの狂気が、械越しにも々しく伝わってくる。
『健太から泣きながら話があったわ! あんたがに乗り込んできて、を脅したって! 健太が保証になってるなら、なおさらあんたが助けなきゃいけないでしょうが!! 健太はあんたの夫なのよ!? 夫の危を見捨てるなんて、の皮を被った化け物よあんたは!!』
夫は、母親に泣きついたのだ。 自分が犯した勝な背信為を棚にげ、「妻に責めてられた被害者」として。
留守番話のテープは、義母の罵声を容赦なく記録し続けていく。
『そんなにを担保に入れたくないなら、今すぐあのを売り払いなさいよ! 今、あの辺りのは千万にも千万にもなるって産が言ってたわ! を売って、半分ので亮介と健太の借を返しなさい! 残りので、私にしいマンションを買いなさいよ!! そうすれば全部丸く収まるでしょうが!!』
……を売って、借を返し、残りで自分のマンションを買え?
いたが塞がらなかった。 りを通り越し、脳の芯が急速にえ切っていくのをじた。
このは、本気でそうっているのだ。