みかん小説
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"初婚のはずの夫、新婚のベッドの奥に4年前の結婚写真" 第5話

そこには以設定されていた宅ローンの抵当権が、の付で綺麗に抹消された記録があるだけだった。抵当権者、某都。債務者、澤真由。

健太の名義など、最初からこの部のどこにも刻まれていなかったのだ。

「俺が代半のときにを貯めて買った」「ローンはもうほとんど残っていない」「俺の持ちじゃなきゃ、誰が毎管理費を払うんだ」

昨夜、私の目を真っ直ぐ見つめながら彼が並べてた言葉が、ので鋭い破片となって突き刺さる。全部、嘘。最初から、文字たりとも真実などなかった。

喉の奥がカラカラに張りつき、指先が急速にたくなっていく。私は夫の持ちだとい込んでいた部で、赤のの女が所するマンションで、半も婚ごっこを演じさせられていたのだ。

全から力が抜け、危うくそのに崩れ落ちそうになった。壁にをついて必に呼吸をえる。

泣いている暇なんてない。広告代理の管理として培ってきた徹な理性が、パニックを起こしかけた脳の端っこをく叩いた。

もしこの部が妻のものだとしたら、あのはなぜ今もここにみ続けていられるのか。そして――なぜ、の持ちであるこの部を「フルリノベーションする」と言って、私に百万円ものをさせようとしているのか。

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類をバッグの奥底へ滑り込ませ、私はで法務局のい扉を押しけた。

そのの夜、リビングの空気は異様なほど穏やかだった。

「美咲、夕飯まだだろ? 途のデパでRF1のサラダとローストビーフ買ってきたよ」

健太は何事もなかったかのようにキッチンで皿を並べ、ワインのコルクを抜いていた。昨夜、婚歴を暴かれて涙を流していた男と同物とは到底えない。いつもの、面の良い、爽やかで頼もしい「自の夫」の顔だった。

「……ありがとう。今、会社でして込んでて、疲れてるの」私がバッグを置き、できるだけ平静を装ってソファに腰掛けると、健太はワイングラスを私のに置いた。

「無理するなよ。美咲は頑張りすぎなんだ。くリノベの事を終わらせて、もっと事線のいい部にしよう」

そう言いながら、健太は際よくiPadをテーブルのに滑らせてきた。画面には、洗練されたフォントで組まれた見積と、数社の内装パースが並んでいた。

「昨話したリノベーション資の件だけどさ、業者から概算がたんだ。キッチンとバスルームの刷、それから壁面の漆喰塗り替えで、トータル約百万円。僕が百万すから、美咲の独代の貯から百万円、来週曜までにかせるようにしてほしい」

画面を指先でなぞる健太の元を、私はじっと見つめた。

爪は綺麗に切り揃えられ、の薬指には私とお揃いの結婚指輪がっている。

「百万円って、私の貯のほぼ全額よ。……本当に、今すぐさなきゃいけないの?」

健太の笑顔が、わずかに固まった。だがすぐに、の包容力を見せるような、柔らかくも無を言わせぬトーンで言葉をねてくる。

「今に入しないと、職のスケジュールが押さえられないんだよ。ウッドショックで資材も値がりしてるし、来になったら見積もりが百万円以ねがる。それにさ……」

健太は私ののに、自分の温かい掌をねてきた。その触に、ぞっとするような寒気を覚える。

「美咲のおをただ奪うわけじゃないんだ。事が着したら、その資比率にわせて、司法士に頼んでこのマンションの持分を美咲の名義に移す。僕たちの資産にするための、向きな投資なんだよ。夫婦なんだから、これくらいのリスクは緒に背負おう」

あまりにも滑らかで、あまりにも完成されたロジック。もし昼に法務局へっていなければ、私は「夫がの将来のために必になってくれている」と信じ込み、定期預を解約していただろう。

持分移転?の名義の産に、どうやって妻の持分を登記するというのだ。しない権利を担保に、妻から百万円を巻きげようとしている。

「……きな額だから、もうし類をしっかり確認させて。

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