"正月の食事会で義母に印鑑を求められ、仲居から「逃げて」のメモ" 第20話
『会社を守るためには、仕方がなかったのよ!』
さんはその見苦しい言い訳を、酷な事実で完全に打ち砕いた。
『会社を守るためだけじゃないだろう。叔父さんの事業が失敗したことを、ただ認めたくなかったんじゃないのか』
図を突かれた義母の顔はこわばり、ついにを爆発させて叫んだ。
『弟なのよ!内が困っているに族を助けて何が悪いの!』
会社を守るためという義名分が剥がれ落ち、最まで残ったのは内への異常な執着だけだった。
さんは、その母親の醜い姿をややかに見ろし、最の撃を加えた。
『それなら、叶恵さんも族じゃなかったのか』
さんは静かに問い詰めた。
『弟は族だから会社のを使って助け、嫁は族だから代わりに借をさせようとしたのか』
さんのその静かな問いに対して、義母は言も返すことができず、ただ黙り込んだそうだ。
私はさんの話を聞き終え、い胸の奥につかえていたいが完全に消えるのをじた。
義母が私に理尽な求を押し付けてきた理由が、これで完全にらかになった。
それは私が至らない嫁だったからでも、族としてのいやりがりなかったからでもない。
単に義母にとって、私が番都よく利用でき、黙って犠牲になってくれる便利なだとわれていただけだ。
広告
さんが再びくをげた。
「叶恵さん、本当に申し訳ありませんでした」
私は静かに首を振って微笑んだ。
「さんが謝ることではありません」
私は謝の気持ちを伝えた。
「真実をらかにしてくださって、から謝しています」
私は自分の選択を肯定した。
「これで、私がなぜあの席をって逃げしたのか、そのが全て証されましたから」
私は先の方を向き、はっきりとした声で伝えた。
「先、この報告の事実は、私と夫の婚調でも確な事実として主張していただけますか?」
先はきく頷き、頼もしい声で答えてくれた。
「もちろんです」
先は力く言った。
「ご主がどれほど当な求に加担しようとしていたかを示す、決定な背景事実になります」
先はさらに続けた。
「お義母様による法為を証するでも、これ以ない力な武器となるでしょう」
私は再びさんへ線を戻し、彼自のこれからの決断について尋ねた。
「さんはこれから、会社をどうされるおつもりですか?」
私の問いに、さんは経営者としての徹で覚悟を決めた顔に戻った。
さんは決断を語った。
「母には関連会社の代表を含め、全ての権限から直ちに辞任してもらいます」
さんは再建計画を説した。
「にもこの事実を包み隠さず報告し、法かつ専な順を踏んで返済条件を組み直します」
さんは断言した。
「赤字の宿泊事業への貸し付けは即座に止し、売却できるな資産は全て処分して会社をスリム化させます」
さんはを見据えた。
「母個の面子を守るための仕組みは完全に終わらせ、真ので会社と社員を守るための再建を始めます」
さんの言葉には、内に対する切の甘えや妥協がなかった。
彼は本当に42の社員の未来を守るために、番困難でそして正しいを選んだのだ。
義母が密ので振るっていた絶対な権力は、こうして内のによって完全に打ち砕かれた。
もう誰も、義母の族だからという呪いのような言葉に縛られて苦しむことはない。
会議をていくさんの背を見送りながら、私はい堵の息をく吐きした。
あの、桜井さんの『逃げてください』というさなメモがなければ。
私は義母の仕掛けた罠にはまり、弟の借の代わりとして全てを奪われていたことだろう。
自分ので席をち、専の助けを借りて戦うことを選んだからこそ、私は真実にたどり着くことができた。
残るは、この真実をったで夫である俊が私にどう向きうかという、最の続きだけだ。
彼が何を言い、どう逃げようとも、私の決が揺らぐことはもう絶対にない。