"正月の食事会で義母に印鑑を求められ、仲居から「逃げて」のメモ" 第11話
俊はすがるような目で私を見た。
「本当だよ。母さんがそう言ったんだ」
私は静に問い詰めた。
「会社の数字や詳しい資料は、全部見たの?」
俊は言葉を濁した。
「いや、全部は」
またしても彼は線を泳がせた。
「母さんがそこまで言うなら、本当に倒産寸なんだろうって」
私はため息をつき、しみが混ざったを吐きした。
「つまり、あなたは自分でも内容を確認していない話を信じ込んでいたのね」
私は静かに断罪した。
「そして、あなた自もよくらない借の類に、妻の私を騙して署名させようとした」
俊はもう何も言い返すことができず、ただくをげた。
彼は悪というよりも、自分ので考えることを放棄しただった。
母親の言葉を疑うこともせず、妻の全を守るためにち向かうこともせず。
番抵抗のない方へと、逃げ続けていただけだったのだ。
ずっと静かに聞いていた先が、ここで会話を引き取った。
「ご主のご認識はよく分かりました」
先は厳しい表で俊を見た。
「森田さんが何もらされていなかった事実を、ご主も認めたことになります」
先は法な見解を述べた。
「これはお義母様による騙し討ちであり、財産を侵害する為です」
先は毅然とした態度で言った。
「当職としてはこの事実をもとに、お義母様への法措置も野に入れて対応をめます」
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先の凛とした言葉に、俊は顔を真っ青にさせた。
俊は驚いて先を見た。
「法措置って、母さんを訴えるのか?」
先は静に答えた。
「そこは今の会社の方次第ですが、森田さんの権利を守るためには当然の段です」
先はさらに言葉を続けた。
「それに加えて、ご主との婚姻関係についても、本をもって正式に婚協議へ移いたします」
婚という言葉が先のからはっきりとた瞬、俊は子からちがりそうになった。
俊は必な顔で私を見た。
「待ってくれ。俺は君と別れたいわけじゃないんだ」
俊はを乗りした。
「母さんがやりすぎたのは認めるから、に戻って話しおう」
私はたく彼を見げた。
私は首を横に振った。
「もうあなたと話すことは、何もありません」
私は彼の言葉を完全に拒絶した。
「私を裏切って密へ引きずり込もうとした事実だけが、あなたの本当の答えです」
私はちがった。
「今の連絡は、全て先を通してください」
私はそう言い残し、自分の鞄をに取った。
俊は何かを言いかけたが、先の線に遮られてを閉ざした。
私は彼に1度も背を向けることなく、静かに会議のドアをけてへた。
彼との7の結婚活は、こうしてあっけなく、そして確実な終わりを迎えたのだ。
事務所をると、たいはいつのにかへと変わっていた。
私のは、こののようにたく、けれど澄み切っていた。
夫の沈黙という最も残酷な裏切りを、自分の目でしっかりと確認できたからだ。
ただ、私のにはまだ1つだけ解決していない疑問が残されていた。
『42の社員の活がかかっている』
義母が繰り返し、俊が妄信していたその言葉。
事業が苦しいというだけで、7500万円もの個保証が必なのだろうか。
義母はあの密で、本当に会社だけを守ろうとしていたのだろうか。
その疑問の答えは、やがて全く別の所から私の元へもたらされることになる。
俊の兄であるさんが、この異常な事態に気づいてきそうとしていた。
本当の崩壊は、私が席をったことで、すでに始まっていたのだ。
2に入り、たいのにもわずかにの気配をじるようになった。
私は実の1階で母と穏やかな々を過ごしている。
母は私が夫のマンションへ帰らない理由を、くは聞いてこない。
娘の顔がしずつるくなっているのを見て、してくれるようだった。
ただ毎朝温かいご飯を作り、私が自分のでち直るのを静かに見守ってくれていた。
あの者面談の、弁護士の先のもとで、俊との夫婦関係を終わらせる調の準備がんでいる。
そんなあるの午、私のスマートフォンに先から話が入った。