"恩人の葬儀の裏で、夫は私の実家に値段をつけていた" 第6話
の芯が、すっとたくなっていく。
先々週の曜。 その、修は「本社の全会議があるから遅くなる」と言って、朝くをていた。 義姉の幸恵さんがくなって、まだ初もけていない期だった。
私が病院で患者の処置に追われ、夜勤けの霞む目で葬儀社との打ちわせに追われていたその。 あのは、を使ってわざわざ群馬まで来ていたのだ。 見らぬ産業者を連れて。 まだたくなったばかりの義姉のを、値踏みするために。
「……佳代さん。夫は、のにも入りましたか?」
「鍵はいてなかったみたいだから、回りだけ見て帰ったようだけど……でも、勝の郵便ポストをガチャガチャけて、を覗いてたわよ。連絡票かなにかを引っ張りして、スマホでメモしてたみたい」
指先が微かに震えるのを、私は膝ので固く握りしめた。
「教えてくださって、ありがとうございます。夫から『サプライズで業者に見積もりを取っておいた』とは聞いていたんですけど……しき違いがあったみたいで」
笑いを浮かべる顔の筋肉が、引きつって痛かった。 所のに庭の醜態を晒すわけにはいかない。 世体を気にする修の性質が、皮肉にも今の私の防波堤になっていた。
佳代さんが気遣わしげに帰った、私は勝の鍵を固く閉め直した。
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静まり返ったので、、荒い呼吸をえる。
――勝のポスト。
私は玄関へ回り、義姉が使っていた類入れや、郵便受けの束をひっくり返した。 公共料の領収、域包括支援センターからの福祉だより、所のお寺の回覧板。 几帳面な義姉が輪ゴムで留めていた郵便物の束のに、つだけ、真しい形号のい封筒が混ざっていた。
差の欄には、太いゴシック体で印刷されていた。
『エステート 崎支』
封は、度けられた痕跡があった。 テープの端がしめくれ、雑に貼り直されている。
震える指で封筒を引き裂き、を取りす。
から滑りてきたのは、枚のカラープリント用だった。 表には、『産簡易査定(概算)』の文字。
物件所:群馬県崎本町……。 面積:百平方メートル。 建物構造:造亜鉛メッキ鋼板葺階建。
そして、査定依頼者の欄に印字されていた名に、私の線は完全に凍りついた。
『ご依頼者:佐伯 修 様(所者妹の配偶者)』
胃の奥から、苦いものがこみげてくる。
配偶者。 ただの配偶者でしかない男が、なぜのの査定を単独で取り付けているのか。
ページをめくると、さらに詳細な試算が並んでいた。 隣の取引事例、線価に基づく評価額、そして赤ペンできされた担当者のメモ。
『更渡しの、解体費用約百万円を控除し、取り見込み額:千百万円』 『側接、良好のため、分譲宅用として期売却の能性し』 『※ご相談者様より:相続登記完、即座に専任媒介契約へ移希望とのこと』
即座に、専任媒介契約へ移希望。
言葉のを理解しようとする脳が、激しい拒絶反応を起こしていた。
義姉がくなって、まだ週も経っていなかったあの。 私がしみに暮れ、事も喉を通らなかったあの。 夫はすでに、このを更にして売り払う算段を、業者と詰めていたのだ。
ペラリと、封筒の底から枚の名刺が落ちた。
『エステート崎支 営業第課 』
名刺の裏には、ボールペンで殴りきされたメモがあった。 修の、あの特徴な角張った跡だった。
『専任でめる。解体業者はこちらの指定を使わせること。マージン確認』
マージン。 自分の会社が宅設備を扱っているコネを使って、解体費用からキックバックを抜くつもりだったのか。
喉がカラカラに鳴った。 りを通り越し、背筋を氷の刃で撫でられたような悪寒がる。
私はスマートフォンを取りし、名刺にかれた固定話の番号を震える指でプッシュした。
プルルル……プルルル……。
呼びし音が回鳴ったところで、活な若い男の声が響いた。
『お話ありがとうございます、エステート崎支、でございます』