"姉の身代わりで謝罪したら「最初からあなたをご指名です」" 第23話
ファイルをくと、番の類に目が留まった。
『パッケージリニューアルに関する匠・構造監修業務 御報告』
そして、そのには、枚の振込細のコピーと、正式な類が添えられていた。
『業務委託契約に基づく謝礼のお支払いについて』
額の欄には、私のの取りほどもある、決してさくない数字が几帳面に印字されていた。
が、枚添えられていた。 松本さんの、し角ばった、誠実な跡。
『奈緒さんへ。 お様で、しいギフトボックスは都内の百貨のバイヤーから絶賛をいただき、今のお元商戦に向けて異例の発注が決まりました。現のパートさんたちからも、「組みてやすくて腰が楽になった」と謝の声ががっています。
同封いたしましたのは、奈緒さんのプロフェッショナルとしての見に対する、正当な対価です。 これは、族としての甘えでも、個な贈り物でもありません。 の企業経営者として、印刷の専である川奈緒様にからの敬を込めてお支払いする、業務の報酬です。
どうか、誇りを持って受け取ってください。 あなたが、川越の現で積みねてこられたは、確かに私たちのを救ってくれました。
追伸 もしよろしければ、来週末、曇野にいらっしゃいませんか。
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今も、あのクラフトの季節がやってきます』
を胸に抱きしめたまま、私は目を閉じた。
界の裏側が、い涙で滲んでいく。 けれど、それはもう、実のたいで流していたような、悔しさと惨めさの涙ではなかった。
認められたのだ。 誰かの都のいい代わりとしてではなく。 誰かの嫌を取るための召使いとしてでもなく。
川奈緒というのが、自分のでち、自分ので選び、磨いてきた仕事の価値を、あのは何よりも真摯に受け止めてくれたのだ。
私は机の引きしからペンを取りし、松本さんへの返信をくために、しい便箋を広げた。
初のが吹き抜ける、野県曇野。
町のクラフトの広には、とりどりのいテントがち並び、漏れので勢の族連れや観客が笑いっていた。
緑のアルプスの々は、残の筋を青空に鮮やかに刻み、くから流れてくるのせせらぎがよくをくすぐる。
『松本果実芸』のブースのには、途切れることなく客の列ができていた。 並べられているのは、あのしいのスリーブをまとったジャムの箱。 にとった女性たちが、「い」「箱がしっかりしてて贈り物にぴったり」と々に言いながら、嬉しそうに買っていく。
先につ松本さんは、成りのエプロンをつけ、額に汗を浮かべながら忙しそうに会計をこなしていた。
ふとが空いた瞬、松本さんが列の理をしていた私の方を振り返り、柔らかく微笑んだ。
私もまた、同じデザインのエプロンをにつけ、さく笑い返した。
伝いをしている。 けれど、ここにあるのは、あの頃怯えていたような条理な搾取ではない。 私は印刷の監修者として、そして彼の切なパートナーとして、対等なでこの所にっていた。
夕暮れ。 が終わり、よい疲労ので片付けを終えた広には、涼やかなのが吹き始めていた。
で並んで、のに腰をろす。 沈みかけた夕が、の空を淡い茜とのグラデーションに染めげていた。
松本さんが、ポケットからさな包みを取りした。 使い込まれた、あの成りの巾着袋。 歪んだ針目で縫われた、褪せた青いツバメ。
「」 松本さんは、布を指先でおしそうに撫でながら呟いた。
「あの、この袋を受け取った私は、ただ『優しくて、自分のことを回しにして働く女』のを追っていただけだったのかもしれません」
「……え?」
私が顔をげると、松本さんは照れくさそうに、けれどく澄んだ瞳で私を見つめ返した。
「都のいいいを胸に抱いて、勝に美化していた部分があったといます。お見いの席にあなたが現れた、私は救われたような気になっていました。