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"姉の身代わりで謝罪したら「最初からあなたをご指名です」" 第11話

「お祖母様がくなられたって聞いたは、本当に驚いたのよ」

芳さんは、お茶をすすりながら懐かしそうに目を細めた。

「昔、悠真がまだを継いだばかりで、何もかもうまくいかなくてねぇ。クラフトでお祖母様が助けてくださらなかったら、この子は途で投げしていたかもしれないの。あのいただいた巾着袋、今でも悠真の机のに切にしまってあるのよ」

「母さん、その話はもういいから」 松本さんがしを赤くして制する。

「いいじゃないの、本当のことなんだから」 芳さんはからからと笑い、それから私の顔を優しく見つめた。 「奈緒さん。今はね、息子の嫁候補として見極めようなんて、そんなそれた気持ちはこれっぽっちもないのよ。ただ、あのの優しい娘さんが、どんなになったのか、度お顔を見てお礼を言いたかっただけなの。だから、どうぞ肩の力を抜いて、ゆっくりしていってね」

その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなった。

実の母なら、もし姉が見い相を連れてきたら、相の収や実の資産、学歴を根掘り葉掘り聞きそうとしただろう。 けれど、芳さんは私に何の詮索もしなかった。 ただ、私がここにいることを、そのまま受け入れてくれている。

お茶をいただいた、松本さんがの作業を案内してくれた。

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ほどの従業員の方々が、にを包み、作業で果物の選別や皮剥きをっていた。 きな鍋からは、甘酸っぱい湯気がちり、甘いりが部いっぱいに満ちている。 械化された巨なではない。 けれど、つひとつの瓶に丁寧に果実が詰められ、作業で蓋が閉められていく様子は、見ているだけで胸がすくほど然としていた。

「ここが、最の包装と発送の作業です」

松本さんが案内してくれたのは、事務所の隣にある梱包スペースだった。 棚には、贈答用の化粧箱や、ギフト用の段ボールが然と積まれていた。

「実は……奈緒さんに見ていただきたかったのは、ここなんです」

松本さんは、棚からつの平たい化粧箱を取りし、テーブルのに置いた。 シックな濃紺ので作られた、ジャム本入りのギフトボックスだった。

「これが、今のお元とお歳暮用にしく作ったパッケージなんです。元のデザイナーさんに頼んで、シンプルで級のあるデザインを目指したのですが……どうも、評判が芳しくなくて」

「評判が……ですか?」

「ええ。取引先の百貨やセレクトショップから、『箱の角が潰れやすい』『けたにがし傾いている』といったクレームが何件か入りまして。それに、製造コストが予以にかかってしまって、規模なとしては利益をかなり圧迫しているんです」

松本さんは、困ったように眉をの字にした。 その横顔には、従業員とその族を養う経営者としての、現実な苦悩が滲みていた。

私は、息を吸い、その化粧箱を両で持ちげた。

指先の触を確かめる。 表面のテクスチャー、蓋をけたの摩擦、折り目の入り方。 印刷会社で営業事務として、何千種類ものと箱、印刷加の見本帳を扱い、の職たちと納期やコストのせめぎいをしてきた私の『常の目』が、自然ときしていた。

箱の底を裏返し、指先で角を軽く押してみる。

「……松本さん」

「はい」

「この箱、芯材にコートボールを使って、表面にマットPP加を貼っていますよね」

松本さんが、し目を見いた。 「ええ……詳しい仕様までは把握していませんが、傷がつきにくいように表面加をしてあると聞いています」

「見た目はとても綺麗です。でも、曇野のや梅期の湿度を考えると、この貼りわせだとの目が横に通っているせいで、湿気を吸ったに角から浮いてきやすいんです。それに、に入っているジャム瓶がいので、箱の底面の度がりずに、持ちげたに底がたわんで、の仕切りがズレてしまうんだといます」

私のから、淀みなく言葉がていた。

「もしコストを抑えながら度をげたいなら、全面貼りの貼り箱をやめて、クラフトのある度のE段ボールを使った『ワンピース型の折り箱』に変えた方がいいといます。

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