"「妻のヒモになれ」と笑われた夜、専務が頭を下げた" 第12話
瀬部が声を荒らげる。 だが、藤田主任は止まらなかった。
「ではありません。さらに、こちらをご覧ください」
次に差しされたのは、数百枚に及ぶメールのプリントアウトだった。 送信刻は、いずれも夜、、。
『朝までに、担当全徒のログ解析所見を千字で提のこと。遅延は契約更拒否の対象とする』 『無能な講師のせいでエリア全体の予算が未達。自覚を持ちなさい』 『次の保護者面談でハイレベル特訓の継続が取れなければ、講義コマ数をゼロにする』
「夜・休の業務指示メール、計百通。すべて受信ログおよびサーバーのタイムスタンプ付きです。さらに、瀬部が全の講師に対して『のノートを使わせるな、親にはアプリだけで成績ががると言い切れ』と指示した、秘密の営業トークマニュアルの現物です」
内が、静まり返った。 調査委員の弁護士たちが、を乗りして資料を検分し始める。 をめくるパサパサという音だけが、やけにきく響いた。
「藤田……あなた、自分が何をやってるかわかってるの?」
瀬部の唇が、りと恐怖で痙攣していた。
「私を裏切って、この会社できていけるとってるの!? あなたの査定権を持ってるのは誰よ!」
「私は誰も裏切っていません」
藤田主任は、真っ直ぐに瀬部を見据えた。
広告
その声は、震えていた。 だが、決して引かない、現ののがあった。
「私は、教で学んでいる徒たちと、その徒たちに誠誠向きっている講師たちを守るために、ここにいます。査定ががろうが、クビになろうが構いません。これ以、あなたのようなので、嘘をついて親御さんからおを巻きげる伝いをするのは、もう耐えられません」
そして、藤田主任は胸のポケットから、通の青い封筒を取りした。
「今朝、埼玉第3教の保護者様から、本委員会宛てに速達で届いたです。学、若菜さんの保護者様からです」
瀬部の息が、喉で詰まった。
藤田主任は封筒から便箋を取りし、静かに読みげた。
『瀬部様から、佐久先の指導力を理由に、額な講座の継続を迫るお話を直接いただきました。しかし、娘を救ってくれたのは、佐久先が毎作りしてくださった、あの擦り切れた英語のやり直しノートでした。あのお話は、親のに付け込んだ脅迫のようにじられ、変恐ろしかったです。もし佐久先が処分されるようなことがあれば、私たちは即座に退塾し、本件の経緯を公にいたします』
読み終えた瞬、会議の空気が完全に凍りついた。 もはや、言い逃れのできるレベルではなかった。
現の業務誌、夜の指示メール、そして何よりもい、顧客である保護者からの告発状。
瀬部の隣にいた弁護士が、気まずそうに類からを引っ込め、線を宙に彷徨わせた。
だが、獄はこれだけで終わらなかった。
調査委員会の弁護士が、元のノートパソコンを操作し、プロジェクターの源を入れた。 スクリーンに映しされたのは、社内システムの最部――デジタル学習アプリのバックエンドデータだった。
「瀬部」
弁護士の淡な声が響いた。
「あなたが推してきた『難関突破デジタル特訓講座』について、経営監査とともに過半のデータを精査いたしました。奇妙な点があるのです」
瀬部の肩が、ビクリとねた。
「この半で、特訓講座の継続率は名目、パーセントという驚異な数値を維持していました。しかし、受講料の返データ、ならびに保護者からの解約申して記録を突きわせたところ――実に百件の解約申請が、システムで『技術障害による保留』として処理され、解約件数から除されていました」
内の温度が、さらに数度がった。
「これは、どういうことですか? 解約を希望した顧客のデータを保留扱いにし、見かけの継続率を偽装して役員会に報告していた。違いますか?」
「そ、それは……!」
瀬部の額から、粒の汗が吹き零れた。 入れのき届いていたファンデーションが、汗でドロドロに崩れていく。