"「あの担当者はどこだ」社長の一言に凍る年下上司" 第12話
「おい佐藤! なんだよこれ! 権限規程だと!? あんた、自分がどのにいるか分かってんのか!? 支援課の平社員が、勝に役職者ぶったペーパーを作って配るなんて、完全な業務命令違反だぞ!」
「静かにしろ、田辺課」
私の静かなに、田辺が息を呑んだ。 、修羅をくぐり抜けてきた男のに気圧され、田辺の言葉が喉元で詰まる。
私は島本部を真っ直ぐに見据えた。
「本部。宮本精密の取引止通告を撤回させ、信頼を回復させる方法は、つしかありません。私が直接、先方へ向いて再提案をうことです」
「な……!」
田辺がちがろうとするのを、私はで制した。
「ただし。昨あなたが仰ったような、『若の尻拭いのための無条件の座』なら、私は切お引き受けしません。私がく条件はつです」
会議の空気が、ピンと張り詰めた。
「第に、本案件における田辺課の担当権限を完全に剥奪し、切の顧客接触を禁じること」
「ふざけんな!」
田辺が机を叩いた。
「俺が半かけて耕してきた案件だぞ! なんであんたみたいな窓際のロートルに奪われなきゃならないんだ!」
「あなたが耕したのは畑ではなく、原です」
私は田辺を瞥もしないまま、ややかに言い放った。
「第に、本案件を社直轄の特命プロジェクトとし、私に営業・製造・品保を束ねる現最責任者としての決定権を付与すること」
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「第に、提示する納期と仕様は、営業の願望ではなく、現の産管理および品質保証の承認印を必須とすること」
「そして第に……」
私は島の目を射抜くように見つめた。
「この条件を拒否されるのであれば、本部、あなたご自が田辺課を連れて宮本精密へ向き、代表取締役ので辞任届を提して詫びてください」
「き、貴様……!」
島の額に青筋が浮きがった。
「自分が何を言っているのか分かっているのか!? 組織に対する反逆だぞ! たかが窓際の平社員が、本部の私に向かって条件をすだと!?」
「せますよ」
私は、類のページ目を指し示した。
「なぜなら、このままでは会社がぬからです。そして、田辺課が犯した正の全貌を、まだ役員会はごないはずですから」
「……正だと?」
島の顔が変わった。
田辺の顔から、完全に血の気が引いていくのが分かった。
「田辺、お……何を隠している?」
「な、何も! 何も隠してません! 全部、会社のための営業活です!」
そのだった。
「いいえ。隠していました」
凛とした女性の声が、会議に響いた。
産管理課の野寺主任だった。 野寺は静かにちがると、持参していたノートパソコンの画面を、会議の型モニターに接続した。
スクリーンに映しされたのは、社内メールの送信ログと、タイムスタンプの履歴だった。
「これは、私が先週から田辺課宛に送信した、通の『製造能および品質リスク警告』です」
野寺は、切のを排した事務なトーンで説を始めた。
「私は度にわたり、指定された非調質鋼の調達能、および処理炉の空き枠ゼロによる『週納期の絶対能性』をデータ付きで通しました。しかし、田辺課はその警告をすべて握りつぶし、私の起案した製造ステータスを、営業権限で勝に『調』へとき換えて本部決裁を通していました」
ざわり、と役員フロアの空気が揺れた。 品質保証部が、を乗りして画面を凝する。
「さらに」
野寺がキーボードを叩く。
「田辺課は、処理の注先に対し、『炉の温度をげてを半分に縮しろ、公差がなくても類は格にして荷しろ』という、な品質偽装のをっていました。その通話録音のログも、先方のから提供を受けております」
「あ……あ……」
田辺の喉から、掠れた空気の音が漏れた。
膝から崩れ落ちるようにして、子にく沈み込む。 額から滝のように脂汗が流れ落ち、ネクタイを緩める指先が、狂ったように震えていた。
「田辺……貴様……!」
島の声が、りと恐怖で震えていた。 品質偽装の。 それが公になれば、宮本精密どころか、全取引先からの契約解除と、社会な制裁が待っている。
島自の首どころか、逮捕者がてもおかしくない背任為だった。