"「お前のために断ってやった」母の仕送りを7年捨て続けた夫" 第13話
「私のために、私が番切にしていたいのれを勝にゴミ箱きにしようとしたの? 私のために、お母さんが泣きながらいたを隠して、受取拒否のスタンプを押して突き返してたの?」
歩、夫へと詰め寄る。
「違うよね。あなたが守りたかったのは、私じゃない。あなたの『綺麗で理で、自分がすべてをコントロールできる完璧な川』という自己満だけでしょ」
「真帆、お……!」
夫がちがり、私を威圧するように見ろしてきた。 そのがピクピクと痙攣している。
だが、父がゆっくりとちがった。 曲がった腰を精杯伸ばし、私と夫のに割り込むようにしてった。
「そこまでにしろ、拓君」
父のが、夫の胸元をく押し返した。
「うちの娘に、これ以指本触れるな。……今すぐ、このからてけ」
夫は信じられないものを見る目で父を見つめ、それから私を睨みつけた。
「……本気なんだな?」
夫の声が、く濁っていた。
「俺と緒に帰らないなら、もう度と敷居を跨がせないからな。埼玉のもおの居所はないぞ。それでもいいのか?」
「ええ」
私は迷わず答えた。
「別居しましょう」
夫の目が、見かれた。
「……別居?」
「そう。別居。私たち、れて暮らすべきだよ。あなたが私をのとして尊できるようになるのか、それとも度と無理なのか、お互いにで考えた方がいい」
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「正気かよ……!」
夫は吐き捨てるように言い、乱暴にコートの襟を正した。
茶のをて、へとに向かう夫のを追った。 見届けなければならなかった。この男が、私ののテリトリーからていく瞬を。
暗い玄関で、夫は乱暴に革靴にを突っ込みながら、振り返った。 その顔には、先ほどまでのエリート会社員の余裕など微もなかった。 プライドをへし折られた男の、剥きしの憎悪が張り付いていた。
「別居? 笑わせるなよ」
夫は靴紐を乱暴に結びながら、嘲笑うような声を絞りした。
「たかが田舎の腐りかけの漬物と、埃まみれのガラクタのせいで、の結婚活をドブに捨てる気か? お、誰の稼ぎで埼玉のあの綺麗なマンションにめてたとってんだよ。自分の料だけで暮らしていけるとってんのか?」
私は玄関の框にち、え切った目で夫を見ろした。
「暮らしていけるよ。私は、あなたのお形じゃないから」
「……悔するぞ」
夫はドアノブを乱暴に掴み、憎々しげに言い捨てた。
「おから泣きついてきても、絶対に許さないからな。お袋にも全部話してやる。おがどんな恩らずな嫁か、親族に言いふらしてやるからな!」
「どうぞ。好きなように言えばいいよ」
夫がへ踏みした瞬、私はいの引き戸にをかけた。
「真帆、待て――」
夫が振り返り、何かを言いかけたその顔の目ので。
バダンッ!
激しい音をてて、私は玄関の戸を力任せに閉め切った。 そして、たい真鍮の鍵を、カチャリと音をてて回した。
で、が急発するタイヤの軋む音が、静かなあいの夕暮れに虚しく響き渡っていた。
週がけた曜、私は埼玉へ戻った。
けれど、夫と暮らしていたあのマンションには帰らなかった。
野の実で晩を過ごすに、スマートフォンの画面を指で弾き、会社の最寄り駅から駅れた所にあるマンスリーマンションを契約していた。敷も礼もかからない、具付きのワンルーム。
曜の午、夫が会社に社しているを見計らい、私は引っ越し業者の単パックを配して、かつての「が」に入った。
静まり返ったリビング。 無駄なものが何つ置かれていない、ショールームのようにたい空。 かつては「洗練されたの暮らし」だとい込もうとしていた景が、ただの息の詰まる檻にしか見えなかった。
私はクローゼットから自分の仕事着と私、靴、通帳や保険証券、印鑑をまとめ、スーツケースつと段ボール箱に詰め込んだ。 夫の私物には切触れなかった。 リビングのガラステーブルのには、あらかじめ記入しておいた通の類と鍵を置いた。
『別居に関する(案)』
活費の分担、現のマンションの賃負担、そして今の連絡はすべて弁護士を通すか、面でうこと。