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"「お前のために断ってやった」母の仕送りを7年捨て続けた夫" 第8話

父はこたつの板を、節くれだった指でぎゅっと握りしめた。

「産に、京の級そうな菓子を持ってきてな。最初はよく世話をしてたんだ。真帆の仕事が順調なこと、でしくマンションのローンを組んだことなんかをな。だが、お茶を杯み終わった、急に真帆の母親に向かってこう言ったんだ」

父の顎の筋肉が、りでく張る。

『お義母さん、もう実から真帆に連絡するのは輪際やめてもらえませんか』

を疑った。

『真帆はもう、川のなんです。田の娘じゃない。いつまでも田舎の親が余計な荷物を送ったり話をかけてきたりすると、真帆がこちらの活に馴染めない。お互いのためになりませんから、これからは親戚付きいの線引きをきっちり弁えていただきたい』

父のい声が、静かな茶のに響く。 当の景が、まるで目ので繰り広げられているかのように、鮮に脳裏に浮かびがった。

あの徹な目。 者を見し、理性という刃物で切り捨てるの、あの夫の表。

「俺はな、鳴りつけたよ」

父が吐きすように言った。

「『真帆が嫁にったからって、俺たちの娘であることに変わりはない。親子の縁まで指図される筋いはない』ってな。そしたら、あいつは何て言ったとう?」

私は息を止めて、父の次の言葉を待った。

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「フッとで笑ってな。『法律、僕たちがしい戸籍を作って庭を築いたんです。真帆の活の責任を持つのは僕です。あなたたち寄りがいつまでも甘えて、娘のを引っ張らないでください』……そう言って、名刺を枚置いて帰っていった」

父はちがり、仏壇の脇の引きしから、古びた名刺入れを取りした。 から引き抜かれた枚のい片。 宅設備メーカーのロゴと、夫の名が印刷された名刺。 その裏面には、万の鋭い跡で、こう殴りきされていた。

『今度勝な荷物を送った、受取拒否だけでなく、着払いで全て送り返します。真帆のためをうなら、賢な判断をお願いします。川拓』

名刺を握りしめた私の指が、く張っていく。 りで界が赤く染まりそうだった。

このは。 私の夫は。 私が仕事で必にパソコンに向かい、終で帰って「疲れたね」と言いっていたその裏で、私の両親の尊厳を、こんな切れ枚で踏みにじっていたのだ。

「……なんで、今まで私に言ってくれなかったの」

震える声で父に問いかけると、父は目を伏せ、く項垂れた。

「言えるわけがないだろう」

絞りすような声だった。

「おが選んだ相だ。結婚して、これから先も何と緒にきていく夫なんだ。親の俺たちが余計なをして、おの夫婦仲を壊すわけにはいかなかった。

……俺たちがして、静かに引いていれば、おは向こうで幸せに暮らせるんだと、そう信じようとしてたんだよ」

親のを、夫は最初から計算に入れて利用していたのだ。 「娘の幸せを願う親なら、波をてるようなことは娘に言えないはずだ」と。 その沈黙につけ込んで、私を完全に孤させていた。

そのだった。

畳のに置いていた私のスマートフォンが、けたたましい音をてて震えした。

画面がる。 表示された名を見て、胃の腑が凍りついた。

『川久美子』

埼玉にむ、夫の母親だった。

通話を取るから、画面の部にショートメッセージの通が次々とポップアップする。

《真帆さん、今どこにいるの?》 《拓から聞きましたよ。張で疲れて帰ってくる夫を放りして、勝に野の実に逃げ帰ったって》 《結婚しても経つのに、自分のというものがまだ分かっていないんですか? 今すぐ話になさい》

酷な義母の言葉が、さな画面を埋め尽くしていく。 同に、けたたましい着信音が、夕暮れの迫る野の古いのに、暴力のように鳴り響き続けた。

畳ので鳴り続けるスマートフォンの振が、茶のの古い柱をビリビリと震わせていた。

画面にる『川久美子』の文字。 夫の母親。 埼玉の自宅からで分ほどの距にむ義母は、何かあるたびに「男の嫁としての自覚」

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