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"入籍三日目に渡された「毎月30万」の振込先" 第13話

翌の午。 私は休暇を取り、宮駅にある法律事務所のドアを叩いていた。

迎えてくれたのは、弁護士の佐伯律子だった。 代半ばの、く切り揃えた黒髪とな目元が印象な女性だった。 応接のガラスのテーブルに、私が理してきた証拠資料が然と並べられていく。

・居準備として亮太へ振り込んだ万円のネットバンキング履歴 ・「敷と購入に充て、領収で精算する」と記されたLINEのスクリーンショット ・着した当に亮太の座から義母へ送された万円の記録 ・輔のガレージの材納品伝票(額・付が完全に致) ・輔と亮太の音声データ(「結婚に言ったら結婚しなかった」という自) ・婚姻届提からのきの万円求メモ

律子先は細いフレームの鏡を指先で直しながら、それらの資料を丹に読み込んでいった。 折、元のメモ帳に万をらせる。

「……見事な証拠保全ですね」

律子先が顔をげ、さく息を吐いた。

「にならず、ここまで客観な物証を揃えて初を起こされたのは、極めて賢でした。宮本菜穂さん」

「先。私は、この婚姻を解消したいです」

私の声に、迷いはなかった。

「婚姻届をして、まだ週も経っていません。実質な同居期はです。

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この、婚姻の取り消しや、無効の主張はできるのでしょうか」

律子先は静かに首を横に振った。

「本の民法、度受理された婚姻届を『無効』や『取り消し』にするのは、極めてハードルがいのが現実です。婚であったり、本の預かりらぬところで勝に届をされたような極端なケースでない限り、たとえ婚のな欺罔為――つまり嘘があったとしても、役所を通った婚姻は法に成してしまっています」

たい現実の壁が、目のにち塞がる。 分かってはいた。けれど、専のから告げられると、胸の奥がく軋んだ。

「つまり、通常の『婚続き』を踏む必がある、ということですね」

「ええ。協議婚、それがまとまらなければ調、そして裁判です」

律子先は類の束を指先でえた。

「ただし、あなたにとって非常に利な点がつあります。つは、同居期がわずかであること。法なでの『夫婦の共同活の実態』がほぼしません。そのため、財産分与であなたの資産を分け与える必は切ありません。独代の百万円の貯蓄は、百パーセントあなたの特財産として保護されます」

「……よかったです」

「そしてもうつ。この万円のうちの万円の使途です」

先はLINEの文面と送記録をトントンと叩いた。

「使途を限定して預託した銭を、承諾なく第者へ流用した為は、民法の当利得、あるいは法為に基づく損害賠償請求の対象になります。婚姻費用や活費の分担として主張するには、あまりに期が自然で、額の使途もです。この万円については、亮太氏に対して全額返還をく求めることができます」

「取り戻せますか」

「法な請求権はこちらにあります。ただ、現実問題として相が任で支払いを拒否し、裁判まで縺れ込んだ、回収にかかると弁護士費用を考慮すると、費用対効果の判断は必になります。相への最のプレッシャーは、『万の括返還』と『即の協議婚成』をセットにした(公正証)を突きつけることですね」

律子先はペンを置き、まっすぐに私を見つめた。 その瞳には、法律としての徹さと、同じ女性としての温かさが同居していた。

「菜穂さん。法な続きは、私が責任を持ってめます。ですが、現実なコストも覚悟してください」

「コスト……ですか」

「ええ。川の居の賃貸借契約です。連帯保証、あるいは共同契約者になっている、途解約に伴う違約や割り賃、原状回復費用の按分が発します。具やの処分費用もかかるでしょう。そして何より――28歳という齢で、入籍わずか数でバツイチになるという、社会な世体や周囲の好奇の目です」

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