"入籍三日目に渡された「毎月30万」の振込先" 第7話
張っていた指先に、じんわりと温もりが戻ってきた。
真理は靴を脱いでフローリングにがり、壁際に置かれたスーツケースに目を留めた。 そして、のに並べられた通帳のコピー、潮のガレージのチラシ、プリントアウトしたLINEのやり取りを黙って見つめた。
「話、聞かせて」
私は先週から今朝までの来事を、を交えずに事実だけ淡々と説した。 婚姻届をして目の夜に突きつけられた、きの『毎万円』のリスト。 居の敷と代として渡したはずの万円のうち、万円が無断で義母の座へ送されていたこと。 そして、その万円の送と、義弟・輔が購入した圧スチーム洗浄の納品伝票の付が完全に致していること。
真理は鏡を押しげながら、枚枚の類を指先でなぞっていた。 普段はサバサバとして冗談ばかり言う真理の顔から、完全に笑みが消えていた。
「……菜穂。これ、ただの銭覚のズレじゃないよ」
真理の声は、氷のようにかった。
「計画。完全に最初から嵌められてる」
「やっぱり、そうう?」
「うどころじゃないでしょ。これ見てみなよ」
真理は、私が理した系列のメモを指差した。
「半、菜穂が亮太に『ご両親に毎仕送りとかしてるの?』って聞いた、なんて言った?」
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「『全くしてない。盆と正に顔をすくらいで、親父も自してるから迷惑はかけられないって言ってる』って」
「その舌の根も乾かないうちに、入籍の週には万を求。入籍のには万の固定送。これ、亮太のいつきじゃないよ。宮本全体で、最初から菜穂を『輔の起業資のスポンサー』に仕てげるシナリオが来がってたんだよ」
では理解していたはずの現実が、第者の言葉としてに突き刺さると、眩暈のような吐き気が込みげてきた。
「……私、亮太のこと、本当に優しいだとってた。邪引いたに薬買ってきてくれたり、私の仕事を応援してくれたり……全部、演技だったのかな」
「演技っていうより、都がよかったんじゃない?」
真理は徹に言い放った。
「医療器メーカーの営業事務、勤続、堅実で無駄遣いしない。貯もある。亮太から見れば『実の面倒を丸ごと押し付けられる最の獲物』に見えたんだよ」
「……」
「でもね、菜穂。ここでになって『騙された!』って騒ぐのは番悪だよ。相は『嫁の分際で』とか『族のがない』って論点をすり替えてくるに決まってる。徹底に、数字と事実で追い詰めなきゃダメ」
真理はスマートフォンを取りし、画面をタップした。
「この輔って弟、どんな奴?」
「が好きで、ガソリンスタンドとかコーティングを転々としてた。は達者だけど、計画性はないって亮太が昔言ってた」
「じゃあ、そこが番脆い穴ね」
真理の線が鋭くった。
「亮太や母親は嘘で塗り固めて武装してるけど、この弟は自分が『応援されて当然』だとい込んでるはず。直接会って、話を聞きしな」
そのの午、私は輔にいメッセージを送った。
『輔さん、オープン告のチラシ見ました。材の導入、変そうですね。度、お祝いを兼ねてお茶でもいかがですか?』
返信は、わずか分で届いた。
『え! 菜穂さん見てくれたんすか!? ちょうど潮のガレージにいるんで、くのデニーズでいいっすよ! すぐけます!』
あまりの警戒のなさに、乾いた笑いがそうになった。 彼は、兄ので何が起きているかなど、微も察していないのだ。
、私は潮内のバイパス沿いにあるファミリーレストランのボックス席に座っていた。 ガラスのドアを押しけて入ってきた輔は、蛍グリーンの文字が入ったツナギを着て、肩を揺らしながら歩いてきた。 顔ちは亮太によく似ているが、どこか落ち着きがなく、瞳の焦点が定まらない。
「うわ、菜穂さん、わざわざすいません! 兄貴から『菜穂さんは堅い仕事だから、俺ののこととか興ないかも』って聞いてたんで、声かけてもらえてマジで嬉しいっす!」
輔はメニューも見ずにメロンソーダを注文すると、テーブルのにを乗りしてきた。