"無職と笑う夫が盗んだ、私のデザイン" 第7話
「……お義母さん、あれは」
『言い訳なんて聞きたくないわよ! さっき也のお父さんからも厳しく言われたわ。也はね、うちの自の息子なの! で懸命をげて、きな仕事を取ってこようとしてるのよ! それを、でパジャマ着てお遣い稼ぎしてるような分のあなたが、横から邪魔をするなんて代未聞だわ!』
義母の言葉は、昨夫が放った侮蔑と寸分違わず同じだった。 このでは、私がどれほど技術を磨き、どれほど実績を積みねてきたかなど、最初からる価値すらないのだ。
『だいたいね、男のの仕事に女がを挟むもんじゃないの! 也があなたの描いた絵を使ってあげたんでしょう? だったら「主の役にてて栄です」ってつ指ついて謝するのが筋でしょうが!』
「お義母さん」
私は息をく吸い込み、徹な声で遮った。
「その『絵』は、私が個に制作し、公表している著作物です。也さんはそれを、私の許なく無断でハードディスクから持ちし、自分の社内提案として提しました」
『はあ?! 夫婦の持ち物に盗んだも何もないでしょうが!』
「あります。法律、著作権は夫婦であっても共財産にはなりません。のデータを無断で使用し、自作と偽って企業にプレゼンすることは、なコンプライアンス違反です」
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話の向こうで、義母が瞬息を呑む気配がした。 だが、すぐに世体を盾にしたヒステリックな反論が返ってくる。
『な、何を難しい屁理屈を並べてるのよ! 裁判汰にでもする気?! 親戚になんて顔向けするの! 所のにられたらどうするのよ! 佐藤の嫁が夫を訴えたなんて噂がったら、私たちはこの町できていけないわ!』
「そうならないために、也さんご自で会社に事実を報告するべきだと申しげています」
『お黙りなさい! 也の世を潰す気なのね?! あなた本当に酷で自分勝な女ね! 息子の稼ぎで根のあるにまわせてもらっていながら、恩を仇で返す気?!』
義母の切り声を聞きながら、私は夫の顔を見た。 夫は腕を組み、母親の叱責をいいことに、笑を浮かべて私を見ている。
このたちは、どこまでも私の尊厳を踏み躙るつもりなのだ。 波をてないようにと、笑顔で流してきたが、完全に裏目にていた。
「お義母さん」
私はを削ぎ落とした、事務なトーンで言い放った。
「もし也さんが、私のデザインを無断で使い続け、虚偽の報告を会社や取引先に通すのであれば、私はデザイナーとして、正式に内容証郵便を会社宛てに送付します」
『な……っ?! な、内容証……?!』
「法に黒をつけるということです。失礼いたします」
夫が慌てて制止のを伸ばすよりく、私は通話を切った。
「おい! お、おふくろに向かってなんてこと言ったんだ!」
夫が血相を変えて掴みかかろうとしてきた。 私は歩ずさり、鋭い線で夫を射すくめた。
「触らないで」
その気迫に気圧されたのか、夫のが空で止まる。
その、私ののでスマートフォンがく震えた。 通話ではない。 登録しているクリエイター向けの業務プラットフォームから、ダイレクトメッセージの着信通だった。
送信元の名義を見て、臓がねた。
『島 誠(ナカジマ・フードホールディングス)』
画面をく。 簡潔で、しかし極めてい文面が並んでいた。
《佐藤美穂様。昨夜は突然の無礼をお許しください。 『季の卓』のプロジェクトについて、至急、御社のでおだけでお話ししたいことがございます。 本午、渋のセルリアンタワーのラウンジにておをいただけないでしょうか。 これは御社を通さない、私個からの正式な打診です》
午。 渋のホテルのロビーラウンジは、い井から柔らかな自然が差し込み、静かなピアノの調べが流れていた。
約束の席には、島部がで座っていた。 昨とは違い、ノーネクタイの落ち着いたジャケット姿だったが、その差しにはビジネスの最線につ特の鋭さが宿っていた。
「美穂さん、急な呼びしに応じていただき、謝いたします」
「いいえ、こちらこそ昨はお見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ありませんでした」