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"無職と笑う夫が盗んだ、私のデザイン" 第5話

夫は唾をばしながら、私の顔の横の壁をドンと叩いた。

「いいか美穂、現実を見ろよ。おがどんなに部の隅でいいデザイン作ったところでな、世のの誰もそれを見ちゃくれないんだよ。クライアントを拓して、プレゼンのをセッティングして、ビジネスの俵に乗せる営業の力があって初めて、デザインには価値がまれるんだ!」

「だからって、私の名を消して、自分が作ったと嘘をついていい理由にはならない!」

「名なんてどうでもいいんだよ!」

夫の声が、狭い斎に反響した。

「おのちっぽけなプライドのせいで、今の宴席がどうなったか分かってんのか?! 島部ので俺に恥をかかせやがって! おが『主の仕事を伝いました』と言ニコニコ笑ってわせておけば、丸く収まったんだよ! 俺の世も、専任案件も、全部に入ったはずだったんだ!」

目のにいる男の顔が、ひどく歪んで見えた。

このは、私の仕事が「価値のない落き」だから見していたのではない。 最初から価値があることをっていたのだ。

っていて、のでは「無職同然の居候」として私を貶め、自尊を削り、支配に置きながら—— ではその成果物を平然と掠め取り、自分の世の踏み台にしようとしていた。

喉の奥から、乾いた笑いがこぼれそうになった。

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「……私の絵なんて、価値がないって言ってたじゃない」

「ああ、おじゃ価値なんかないね!」

夫は勝ち誇ったように言い放った。

「俺が島部のにさなきゃ、そのデータはおのパソコンので腐っていくだけだったんだよ! 曜の朝、おから島部に話しろ。『あれは夫婦で協力して作ったものです。私ので夫に託しました』って言え。そうすれば全部解決する」

「断るわ」

私はまっすぐに夫の瞳を見据えた。

「これは私の仕事よ。文字も、ミリも、あなたに譲るつもりはない」

夫の表が、りでどす黒く染まった。 私の首を掴もうと、乱暴に腕を伸ばしてくる。

私はそのを、たく払い落とした。

夫のスマートフォンが、デスクので激しく振を始めた。 画面に浮かびがったのは、夫の直属の司である『田部』の文字だった。

夜零を回っていた。 休のこんなに、司から話がかかってくることの異常さを、夫が理解できないはずがなかった。

画面のかりが、青ざめた夫の顔を気に照らししていた。

デスクののスマートフォンが激しく震える音で、部の空気が張り詰めた。

午零を回った夜。 画面に浮かびがる『田部』の文字を凝したまま、夫は息を止めていた。

休のこんなに、直属の司が話をかけてくる。

それが何をするか、分からないはずがなかった。

夫は震える指で通話ボタンを押し、スマートフォンをに当てた。

「……あ、夜分遅くに変申し訳ありません、田部。はい……はい、本の件ですが……いえ、あれは誤解でして……島様がしとちりを……」

夫の声はみるみるずり、額には脂汗が滲んでいた。 通話の向こうから、くい声が漏れ聞こえてくる。

「……ええ、もちろん妻の同は取れております。はい、週けの朝番でご説にがりますので……失礼いたします」

通話を切った夫は、しばらくの、濡れた髪のまま呆然とち尽くしていた。 だが、線が私を捉えた瞬、その瞳に濁った焦燥と狡猾さが戻った。

「……寝るぞ」

夫は吐き捨てるようにそう言うと、斎のパソコンを乱暴に閉じ、リビングのソファへと向かった。 私は何も答えず、自分の仕事部へ入り、内側から静かに鍵をかけた。

眠れるはずもなかった。

私は掛けのワークチェアに座り、自分のノートパソコンをいた。 クラウドストレージにログインし、『季の卓』の全制作フォルダの更履歴を、分単位でスクリーンショットに収めていく。

の最初のラフスケッチ。 半の特インク指定表。 そして、フォントメーカーから発された商用ライセンスの購入細。

タイムスタンプは嘘をつかない。

いくら夫が先で「社内のオリジナル案」と取り繕おうとしても、デジタルデータに残された跡までは消せないのだ。

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