"車椅子の看板娘と一億円の代償" 第7話
ナツさんが「えっ、かず君、これすぎるわよ!」と声をげるのを、のひらを軽くげて制する。
「お釣りはいりません。ごちそうさまでした。本当に美しかった」
俺は踵を返し、にの引き戸をけてへとた。
ガラガラ、ピシャリと戸が閉まる。
町の柔らかな差しがり注ぐアーケードのにた瞬、俺の表からは切の甘さが消え失せていた。周囲をき交う買い物客の喧騒を背に受けながら、俺は懐からスマートフォンを取りし、縮ダイヤルを迷わずタップした。
コール音が度鳴るか鳴らないかのうちに、通話が繋がる。
『はい、若!』
受話器の向こうから、鍛えげられた部の張り詰めた声が響いた。
俺は歩みを止めることなく、極めてく、徹な声で矢継ぎに指示を叩き込んだ。
「詳しい事はで本で話す。今すぐに、『黒龍会』のきを徹底に洗え。あの商でのげのき、シノギの資源、若から末端に至るまでのパターン、全てだ。今すぐかせ」
『解いたしました! 直ちに報網を展します!』
「頼むぞ」
通話を切る。指示しにしたは、わずか秒。
だが、この秒が、これから巻き起こる血の嵐と、全てを塗り替えていく決定な転換点となることを、俺は確信していた。
俺はコインパーキングにめてあった黒塗りのセダンへと乗り込み、力くアクセルを踏み込んだ。
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排気音を轟かせながら、輪は王会の総本部が構える都へと向かって、猛然とりした。
うどんを訪れてから、数のが流れた。
の気配が段とまり、王会本の広な本を取り囲む々も、微かにづき始めていた。張り詰めた空気が漂う本ので、俺は黒塗りの座卓に広げられた膨な調査報告に線をらせていた。
障子が静かにき、音を忍ばせての男が入ってきた。
「若。若い者たちから、例の件について続々と詳細な報が集まってきております」
落ち着き払った、しかし芯の通った声が内に響く。
俺は類から顔をげ、入ってきた男に目を向けた。
「本当か? ありがとう。うちの連は、本当に報収集がくて助かるよ」
男はく礼し、座卓の対面に音もなく正座した。
「ええ。若からのあの緊急の話の内容を聞いた瞬から、組員全員が総力を挙げてきしていましたからね。それに……『黒龍会』の悪辣な噂は、裏社会のであれば誰もが眉をひそめるほど名でしたから、報の糸を掴むのは容易でした」
「ああ、本当に助かるよ、疾」
俺に丁寧に報告をげてきたのは、王会の幹部であり、俺の腕として組織を支えてくれている男、藤疾だった。
代半の疾は、鋭利な刃物をわせる涼やかな目元と、常に静沈着な判断力を兼ね備えた男だ。
脳晰で、武闘派が揃う王会のにあって、報戦、経済活、組織統制のあらゆる分野において突した才覚を発揮している。彼が俺の背を支えてくれていなければ、若としての俺の務めなど、とうの昔にき詰まっていただろう。体これまでどれほど彼に助けられてきたか、数え切れないほどだった。
疾は元に携えてきた黒い革張りのバインダーをき、淡々と、しかし淀みなくをいた。
「集約された報によりますと、黒龍会は幹部の『神宮蓮』をとして、あの商帯を暴力と脅迫で掌握し、規模な裏ビジネスの拠点を築こうと画策しているようです」
「ほう……なるほどな」
俺は顎にを当て、く唸った。
「あの辺りは価も比較定しているし、主な幹線や駅へのアクセスも悪くない。目たない割には利便性がい所だ」
「はい。神宮の目論見としては、あの古びた商を丸ごとげして権者を追いし、違法な融の事務所や、規模な賭、さらには違法薬物の密売拠点を複に構築する計画だったようです」
疾の報告を聞きながら、俺は胸の内でく溜息をついた。カタギの活のを引に奪い取り、犯罪の温へと作り替えようとするその浅ましい発に、吐き気すら覚える。