"10年間外に出ていない妹が妊娠、母は病院を拒んだ" 第16話
「苦しんでなんかない、美」
彼女は翔太を見つめ、優しい顔をした。
「今はうまくやれている」
彼女は私と母を交互に見て、微笑んだ。
「お母さんも、美も翔太もいる」
彼女はを見つめ、満そうに言った。
「族が緒ならそれが何よりよ」
私は彼女の横顔を見つめ、く頷いた。
「そうね、何よりよ」
自分の選択を悔してるかってよく聞かれた。
悔してないって答える。
どんな痛みも決して無駄にはならない。
私たちを打ち負かさないものが私たちをくする。
物語はエンドロールが流れれば終わると言われている。
でもは終わらない。へみ続ける。
たな章が翔太の2歳の誕に始まった。
ここで暮らし始めて2目には、で値段を比べたりした。
所のへの挨拶を現の言葉でたどたどしく交わしたりした。
ありふれた毎を切に過ごすことも覚えた。
ふと、話が鳴った。
私は話を取り、に当てた。
「婚の判決は確定しました。これで決着です」
玲子さんの声だった。
彼女はしを置いて、言った。
「ただ、っておいてほしいことがあるの」
私は黙って彼女の言葉を待った。
「あの子のお父さんがその子のことを聞き回っているの」
私はし驚き、眉をひそめた。
「あの子のお父さんが?須藤旦は病気なの」
玲子さんはで笑い、たい声で言った。
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「体の半分が麻痺してるけど、相変わらず頑固ね」
彼女はし呆れたような声をした。
「孫がいると聞きつけたの」
彼女は事実を淡々と述べた。
「にも事業にもをせない」
彼女はため息をつき、言った。
「でもにかかった老はいくらかかろうと構わない」
私は彼女の言葉をく受け止めた。
「それでも警告してくれてありがとう」
私はしたい声で言った。
「誰かに借りを作るのは嫌なの」
私は話を切る準備をした。
「この報で、借りは返したわ。話切るわね」
私は受話器を置き、くため息をついた。
とっくに逃げ切ったとってた。
でも過は振り返って焼き払わなければ。
しいのろにずっと潜み続ける。
あののハサミの件は、あのろくでなしのを壊しただけじゃない。
私のも壊した。
そのせいで刑務所に入った恵は獄をわった。
お母さんは私の記憶消した。
そして今、あの男がまた私たちを探しに来た。
また、あの廊のを見たい。
昔馴染みが々顔をすんだ。
恵が私のそばに寄り、子から私を見げた。
「美、今度は私をかばわないで」
彼女は私のを握り、真剣な顔で言った。
「あのはあなたのために刑務所に入った」
彼女は私の目を見つめ、い声で言った。
「またあなたが折れたら、私が10も麻痺していたがなくなる」
私は彼女の顔を見つめ、静かに頷いた。
「恵、これ以の苦難も乗り越えてきた」
私はし笑みを浮かべ、言った。
「彼は、半随の老よ」
私は窓のを見つめ、自信を持って言った。
「世界の反対側にいる私たちに何ができるっていうの?」
私は恵に向き直り、決を込めて言った。
「現れたら、昔の彼も今の彼もまとめて清算してやる」
私は荷物をまとめるために歩きした。
「さあ、くわ。今夜ここをる」
私は振り返り、恵と母を見た。
「今度こそ見つからない所へ」
母が私にづき、配そうな顔をした。
「お母さん、いつまでも隠れてはいられない」
母は私の腕を掴み、言った。
「私たちは何も悪いことをしてない」
母は私の目を見つめ、しったように言った。
「どうしていつまでも逃者みたいに暮らすの?頑固すぎるわ」
恵も母に賛同し、頷いた。
「お母さん、今度は美の言うことを聞いて、もう隠れるのはやめよう」
その、翔太がってきた。
彼はにおもちゃを持ち、嬉しそうに言った。
「おばちゃん、フルーツ飴だよ」
彼は私の顔を見げ、無邪気に言った。
「2男のが訪ねてきたよ」
私は驚いて彼を見つめ、しゃがみ込んだ。
「この、男のが来て聞いてたよ」
彼は首を傾げ、いすように言った。
「子の女性とさな男の子が族にいるかって」
私は彼の肩を掴み、真剣な顔で聞いた。
「うん、何の仕事をしてるだって」
翔太はし考えてから、答えた。
「貿易関係だって。