"「妹の祝いだ50万出せ」と言った夫の裏の顔" 第5話
いつも穏やかで、親戚の集まりでも歩引いて笑いを浮かべていた真面目な青。 その声が、りと屈辱で激しく震えていた。
「翔太さん。状況は美さんから聞きました」
「義姉さん、状況なんて易しいもんじゃありません! 夫さんは……あのは最初から、僕たちの旅代を払う気なんてなかったんですよ!」
「……どういうことですか」
翔太さんは、周囲の目を気にする余裕すらなく、吐き捨てるように叫んだ。
「さっき、美がパニックになってるに、僕が夫さんの名で検索をかけたんです。あいつが普段使ってるインスタの公アカウント……りいしか見てないとって油断してたんでしょうね」
翔太さんの荒い息遣いが、受話器越しに鼓膜を叩く。
「昨の夜、箱根の級温泉旅館の写真ががってました。『たまの贅沢』ってキャプション付きで。向かいの席に座ってる女の腕に、カルティエの計がってましたよ。そして、そのテーブルのに……」
翔太さんの声が、憎悪でく濁った。
「僕たちの親族が包んでくれた、あの特徴な引のついたご祝儀袋の束が、無造作に置かれてたんです」
臓が、ドクンと嫌なね方をした。
「翔太さん、その画像は」
「スクリーンショット、全部保しました。今すぐ義姉さんのLINEに転送します。……義姉さん、僕たちはこれからそっちへ戻ります。
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夫の実にも、今すぐ来てください」
通話が方に切られた。
静まり返ったリビングに、スマートフォンの通音がさく鳴り響く。 届いた画像ファイルをいた。
画面に映しされていたのは、湯煙のちる呂付き客。 豪勢な懐料理の皿の向こうに、真っ赤なネイルを施した女の指先。 そして、のの片隅に乱暴に積まれた、見覚えのある祝儀袋。
キャプションには、こう記されていた。
『最の週末。自由最。』
投稿は、昨夜の午1。
私はスマホを握りしめたまま、ゆっくりとちがった。 指先は、もう震えていなかった。 ただ、徹な財務の目が、夫という男の破滅までの筋を、正確に計算し始めていた。
ドンドン、と暴力な勢いで玄関のドアが叩かれた。
計の針は、午2を回ったところだった。
インターホンの受話器を取るまでもなく、属の扉の向こうから漏れ聞こえてくる切り声で、誰が来たのかは瞬に理解できた。
「けなさいよ! 由美! いるんでしょう! そこにいなさいよ!」
義母だった。 鍵を回してドアをわずかに引いた瞬、体当たりにい力で押しけられた。 を突く湿布と物のオーデコロンの匂い。 鬼のような形相の義母が、靴を脱ぎ散らかしてがり框に踏み込んできた。
「あんた、よくもやってくれたわね! 美の婚旅を台無しにして……! のいをドブに捨てさせたのよ! どう責任取るつもりなの!」
唾をばしながら、私の胸ぐらを掴まんばかりに詰め寄ってくる。 そのろには、羽田空港からそのまま引き返してきたのであろう美の姿があった。 髪は乱れ、マスカラが涙で黒くにじみ、には虚しく転がされたキャリーケースのハンドル。 そして、その数歩ろに、固くを結び、りで青ざめた顔の翔太さんがっていた。
「お義母さん、落ち着いてください。ここは集宅です。所迷惑になります」
「所迷惑ですって!? 迷惑をかけたのはあんたでしょうが! カードなんか止めるから、あの子たちが空港で恥をかいたのよ! も払えない乞みたいに係員に止められて……美がどんないをしたか、あんたに分かるの!?」
義母は廊の壁をバン、と叩いた。 響き渡る破裂音。 私はじろぎつせず、え切った目で義母を見ろした。
「カードの利用止は、昨の朝の点で美さんにLINEで通告してあります。『使えないから自分で用しろ』と確に伝えました。私の責任ではありません」
「あんなの、脅しだとうに決まってるじゃない! 族のってものがないの!? たかが50万ケチったせいで――」
「お義母さん」
静かに、しかしく通る声で遮ったのは、ろにいた翔太さんだった。
「もうやめてください。話の論点が完全にズレています」
義母がギロッと翔太さんを睨みつけた。