みかん小説
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"「妹の祝いだ50万出せ」と言った夫の裏の顔" 第1話

「いいから、寄越しなさいよ」

リビングの苦しい空気を切り裂いたのは、義母の乾いた声だった。

私の目ので、義母は平然と私の革バッグにを突っ込んだ。 チャックをけ、財布を引きずりし、躊躇なくを改める。 指先が抜き取ったのは、私が会社員として働き、自分名義で更し続けてきたゴールドのクレジットカードだった。

「ちょっと……お義母さん、何をしてるんですか」

声が喉の奥で引きつる。 ちがろうとした私の界の端で、義母は奪い取ったカードの券面を蛍灯にかざし、これ見よがしに振ってみせた。

「美の婚旅代よ。あんたがすのが筋でしょうが」

ソファの斜め向かいに座る義妹・美が、気まずそうに目を伏せながらも、元をわずかに歪めているのが見えた。 32歳。先、友の紹介でりった会社員の男性と入籍したばかりの妻。 元には、旅代理の鮮やかなパンフレットが何冊も広げられている。

「美はね、に度の記なのよ。でいいホテルに泊まって、贅沢な事をして……それくらい、10もこのに嫁いできたあんたが面して当然でしょう。会社勤めでお持ってるくせに、し渋るんじゃないわよ」

義母の甲い声が、狭いリビングに響き渡る。 当然のように差しされた求額は、50万円。

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私は、ソファにく体を沈めている夫――夫に線を投げた。 45歳、堅建材メーカーの営業課。 夫は休の部着のまま、横倒しになってスマートフォンを親指でスクロールしていた。 画面から漏れる青いが、無精髭の浮いた横顔を照らしている。

自分の母親が、妻の財布から勝にカードを抜き取っている。 その景が界に入っていないはずがない。

「……夫さん、何か言ってよ」

私の震える声に、夫は線すらこちらに向けなかった。 ただ、画面を弾く指を止めず、苛ちを隠そうともせずにく息を吐き捨てた。

「いいだろ別に。母さんに持たせとけよ」

「……は?」

「みっともない声をすなよ。妹の祝いだろ。おがちょっとしてをせば、全員が気持ちよく丸く収まるんだよ。いちいち細かいことで波てるな」

族の祝い。 丸く収まる。 いつもの言葉だった。

このに嫁いで10。 義実の親戚付きいの費用も、冠婚葬祭の包みも、法事の仕し弁当代も、夫はいつも「男のメンツ」を振りかざし、最の帳尻わせは私の座から引きさせてきた。 メーカーの営業課という夫の料は、決してくはないはずだった。 けれど、毎の活費として私に渡されるのは、固定資産税と費で消えるギリギリの数万円だけ。 残りの料がどこへ消えているのか、私が尋ねるたびに「仕事の付きいだ」

「営業の経費をおは分かっていない」と鳴り散らして逃げてきた。

そして今、義妹の豪遊旅の代まで、私のカードで支払わせようとしている。

「……暗証番号は?」

義母がカードを指で弾きながら、顎をしゃくった。

「教えません」

私の喉からた声は、自分でも驚くほどえ切っていた。

「それは私の個名義のカードです。規約、名義以の使用は禁じられています。返してください」

義母の顔が瞬で引きつり、額に青筋が浮いた。

「なによその態度は! 族ので規約だの名義だの、賢しい理屈並べんじゃないわよ! げのない嫁ね、本当に! だから子どももできないのよ!」

刃物のような言葉が、容赦なく突き刺さる。 それでも私は、をしてカードをもぎ取ろうとはしなかった。 ここで取っ組みいになれば、夫は確実に「嫁が母親に暴力を振るった」と騒ぎて、話の論点をすり替える。 企業の経理財務にを置いて15。 に任せていた側が、最に法と数字ので敗する景を、私は仕事で嫌というほど見てきた。

「番号言わないなら、ネット決済で使わせてもらうからいいわよ。美、くわよ。こんな湿気た顔見てたら運が落ちるわ」

義母はカードを自分の銭入れに押し込むと、美の腕を引っ張って玄関へと向かった。 美は度だけ私を振り返った。

その瞳の奥には、罪悪など微もなかった。 あるのは、「兄嫁ので豪遊できる」

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