"結婚記念日に渡された電車の片道切符" 第2話
札幌内の級リゾートホテル。ジュニアスイート、2泊分。
さらに、あの空港で女が提げていたバッグと同じブランドの決済記録。
「……冗談じゃない」
声が震えた。
しみではない。激しい嫌悪と、自分自の愚かさに対するりだった。
私はスーパーの本社で、受発注や伝票処理の事務として毎数字とにらみっている。
1円単位の狂いも見逃さず、特売の鶏肉を選び、夜遅くにスーパーの見切り品に貼られた割引シールを探して歩いていた。
その私の背で、夫は私の名義のカードを切り、との事に庭のを注ぎ込んでいたのだ。
私は受話器を取り、カード会社のカスタマーデスクへダイヤルした。
「はい、カード紛失・盗難デスクでございます」
オペレーターの落ち着いた声がに届く。
「主会員の佐藤由美です。夫に渡している族カードについてですが……」
私は息をく吸い込んだ。
「今すぐ、族カードの利用を止してください」
「かしこまりました。族カードのみの利用止ですね。主会員様のカードはそのままご利用いただけますが、よろしいでしょうか?」
「はい。それから、直数ヶの審な決済について、調査依頼をしたいのですが」
淡々と続きをめる自分の声が、驚くほどくえ切っていることに気づいた。
話を終えたあと、私は直のLINE画面をいた。
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『活費用の族カードは、セキュリティの理由で止しました。今の張経費や私用の買い物は、ご自のカードでお支払いください』
送信ボタンを押す。
既読はつかなかった。
内で莉奈とシャンパングラスをわせ、勝利の美酒に酔っている頃だろう。
私はパソコンを閉じ、呼吸をした。
戦いは、ここからだった。
族カードを止めてから、丸2が過ぎた。
直からは何の連絡もなかった。
おそらく、すでに予約済みだった航空券やホテルの宿泊費は事決済されていたため、最初の2は何自由なく過ごせていたのだろう。
曜の夜。
美咲は自分の部で期末テストの勉をしていた。
私はリビングで、過3分の通帳と計簿を突きわせ、弁護士との法律相談に向けたメモを作成していた。
壁の計の針が、夜の11を回る。
突然、ダイニングテーブルので私のスマートフォンがけたたましく震え始めた。
画面に表示された名は「直」。
私は画面を見つめたまま、すぐにはなかった。
呼びし音が途切れ、切れる。
だが、数秒も経たないうちに再び震えす。
2回、3回、4回……。
画面が暗くなっては点滅を繰り返す。
10回。
15回。
17回。
画面の向こうで、夫がどれほど焦り、取り乱しているかがにとるように伝わってきた。
18回目のコール。
私は静かに緑の通話ボタンをスライドさせ、に当てた。
「もしもし」
受話器の向こうから、声がを劈いた。
『由美!! お、何やってんだよ!!』
周囲の喧騒と、グラスの擦れう音が混ざっている。どこかのバーか、ホテルのフロントだろう。
直の声は、りと焦燥で完全にずっていた。
『カードが止まってんだよ! ホテルの精算が通らないって言われて、フロントでち往させられてるんだ! 今すぐ解除しろ!』
私は背もたれに体を預け、静に答えた。
「連絡したはずよ。族カードは止めたって。自分の財布から払えばいいでしょう?」
『払えるわけないだろ! 今回の部は莉奈の希望で最階のエグゼクティブに延泊したんだ! 事代もバーのツケも全部まとめてあるんだよ! 俺の個カードは今の枠がもういっぱいで通らないんだ!』
「枠がいっぱい?」
『先、莉奈のバッグ買ったり接待のて替えがあったりしたんだよ! そんなことはどうでもいい! くカード会社に話してロックを解け! ここにが並んでるんだぞ! 俺に恥をかかせる気か!』
話の奥から、ホテルのスタッフの困惑したような声が微かに漏れ聞こえた。
「恐れ入ります、お客様。別のお支払い方法はお持ちでしょうか……?」
直がで受話器を塞ぎ、「今、妻が続きしてますから!」と鳴り返している。
けない。
45歳にもなった営業課が、部の女を連れて豪遊した挙げ句、ホテルのロビーで妻に支払いを無しているのだ。