"「部屋はどこでも同じ」と1800万奪った息子の妻" 第5話
私は靴を脱ぎ、部の央に座り込んだ。 膝のに置いたバッグを抱きしめると、遅れて涙が溢れしてきた。 声をさずに、肩を震わせて泣いた。 悔しくて、けなくて、何よりあの息子を産み育ててしまった自分が許せなかった。
だが、泣いたのはその夜だけだった。
翌朝、私は机のに持参した類をすべて並べた。 売買契約、振込受取、息子のメッセージのコピー。 客観な事実だけが、のにたく並んでいる。
千百万円。 絶対に、あの者たちにくれてやるわけにはいかない。 夫と私がきてきた証を、あんな欲な親子と、恩らずの息子のい物にされてたまるものか。
私はスマートフォンをに取った。 指先はまだ微かに震えていたが、迷いはなかった。
美さんのLINEをき、く、事務な文章を打ち込んだ。
『居の売買契約の写し、および私の資分千百万円の持分登記の続き状況について、確認が必です。の正午までに、面で回答を提示してください。千代』
送信ボタンを押す。 画面に「既読」の文字がついたのは、それからのことだった。
しかし、返信は来ない。 沈黙のが流れた。 息子の携帯からも、何の連絡もない。 おそらく、私が本気でくはずがないとを括っているか、あるいは逃げを必で探しているのだろう。
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計の針が午を回った。 スマートフォンの画面が、く振した。
美さんからの返信だった。
私は息を呑み、震える指で通をタップした。
そこに並んでいたのは、私の像を絶する、あまりにも酷な最通告だった。
『あのおなら、もう使っちゃいましたよ。今さらそんなこと聞かれても困ります』
画面を見つめたまま、私の全の血が、音をてて逆流していった。
美さんから届いた、たったのメッセージ。
『あのおなら、もう使っちゃいましたよ。今さらそんなこと聞かれても困ります』
その画面を見つめたまま、私の指先は凍りついたようにかなくなった。 スマホを握るのひらに、じっとりと嫌な汗が滲む。 りで界が狭まり、臓が肋骨の内側を激しく乱打していた。
……使っちゃいました? 千百万円を? 、夫と私が爪にを灯すようにしてローンを返し続けた、あのの代を?
私は震える指で通話ボタンを押した。 だが、コール音すら鳴らない。 着信拒否。 息子の健の番号にかける。 呼びし音は空しく鳴り響くだけで、回鳴ってもない。 やがて「波の届かない所にあるか、源が入っていないため――」という械なアナウンスに切り替わった。
親子で、結託して私を遮断したのだ。
その瞬、私ので何かが完全にえ切った。
泣き叫んで息子のアパートに乗り込むことも、鳴り散らすこともできた。 だが、そんなことをすればどうなるか。 「齢の母親が逆して押しかけてきた」「なトラブルだ」と警察を呼ばれ、追い払われて終わりだ。
あのたちは、私が何もできない無力な寄りだと見くびっている。 を奪われ、を奪われ、つで放りされれば、親戚ので泣き寝入りするしかないとを括っているのだ。
……絶対に、許さない。
私はそので、駅の法テラスへ向かった。 震えるで相談窓の番号札を取り、紹介された民事の弁護士に、持参した類をすべて見せた。 旧居の売買契約、美さんの座への振込受取、そして健がLINEで送ってきた『母さんの千百万は居のにする。持分登記も母さん名義を入れる』という約束の画面のコピー。
初老の弁護士は鏡の奥の目を細め、類をじっくりと精査した。
「千代さん。これは確に『居の購入資および持分取得』を条件とした銭の交付です。贈与ではありません。もし相がこれを勝に費消し、登記もわないとすれば、民法の当利得返還請求、あるいは法為による損害賠償請求の対象になります」
「おは……戻ってくるでしょうか」
私の掠れた声に、弁護士は静かに首を横に振った。
「法に請求する権利は百パーセントこちらにあります。ですが、現実問題として相に返済能力がなければ、判決が切れになるリスクもある。