"産後5日の病室で、娘を奪う義母が夫を殴りつけた" 第10話
病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)が病に入ってきたのは、あの融業者からの着信が切れてから、わずか分のことだった。
「由紀さん、お体の状態は伺っています。今は歩もここからないでください」
鏡をかけた女性相談員は、私の青ざめた顔を真っ直ぐに見据え、際よく荷物をまとめ始めた。
「夫側が借苦から乳児の正な引き渡しを画策していた件、院および顧問弁護士へ正式に報告ががりました。先ほどナースステーションで審な着信があったことも含め、危険性が極めていと判断されています」
私はベッドの柵をく握りしめ、痛む腹部をかばいながらを起こした。 喉の奥が張りつき、声がかすれる。
「娘は……あの子は、無事なんですか……?」
「ごください。児特定観察はの子ロックで施錠され、部からのち入りは完全に遮断されています。由紀さんご本以の面会は、切許していません」
相談員のによって、私は裏のエレベーターから、般の面会者がち入れない産ケア棟の特別個へと移送された。 カードキーがなければフロアにすら入れない、シェルターのような。
だが、部に入った瞬、ベッドサイドに置いた私のスマートフォンが狂ったように震え始めた。
画面を埋め尽くしたのは、夫からのLINEの連打だった。
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『由紀、どこにいる。今すぐ病に戻れ』 『頼むから警察への相談を取りげてくれ。俺が悪かった、謝るから』 『おい、無するなよ。俺を刑務所に入れる気か?』
スクロールしても、終わらない。 謝罪の言葉は、わずか通で剥がれ落ち、すぐに剥きしの脅迫へと変わっていった。
『いいか、よく聞け。俺が逮捕されたら自己破産するしかないんだよ』 『そうなったら養育費も慰謝料も円も払わねえぞ。婚姻費用だってビタ文渡さない』 『父親の署名がなきゃ、届もまともに受理されないように細してやる。赤ん坊を無戸籍にして苦しめたいのか?』 『婚届はおの実印使って勝にすからな。親権を俺に渡せば、借だけ背負って消えてやるよ』
文字の羅列を見つめる私の指先から、体温が急速に奪われていく。
反省なんて、最初からミリもしていなかった。 この男のにあるのは、己の保と、のことだけ。 追い詰められた夫は、娘のすら質にして、私を脅しにかかっているのだ。
胃の奥が雑巾のように絞られ、吐き気がこみげる。 帝王切の傷が、ドクドクとく脈打っていた。
(泣いている暇なんてない)
私はシーツをぎゅっと握りしめた。 あのたちにけを乞うても無駄だ。 徳も良も通じない相から娘を守るには、ではなく、徹な制度の鉄板を敷き詰めるしかない。
「相談員さん」
私は顔をげた。 唇を噛み締め、震える声を押さえ込んで言った。
「今夜、区役所の夜窓へかせてください。今すぐ、続きをしなければならないことがあります」
相談員は私の目を見て、静かに頷いた。
「わかりました。当院の警備両を配します。弁護士の先にも同席をお願いしましょう」
夜の過ぎ。 病院の駐からたは、たいがるを抜けて区役所へと向かった。
産目の体には、のわずかな揺れすら骨に響く。 だが、痛みに怯んでいる猶予はなかった。
区役所の裏にある、暗い夜受付窓。 え切った蛍灯が照らす無質なカウンターに、私は用してきた類を叩きつけるように提した。
『婚届受理申』
夫が私の実印を悪用し、勝に婚届を提して親権欄に自分の名をき込むのを防ぐための、唯の法防壁。 これを度受理させれば、私が本の分証を持って窓に向かない限り、全国どこの役所であっても夫単独での婚届は絶対に受理されない。
「佐藤由紀さんですね。ご本確認類を拝見します」
夜当直の職員が、運転免許証とマイナンバーカードを厳密に照する。 カチャリ、と赤い確認印が類に押される乾いた音が、静まり返ったロビーに響いた。
「確かに受理いたしました。これにより、配偶者からの協議婚の届けは切止されます」