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"15年育てた妹の結婚式で、父に親族席から外された" 第12話

隣のテーブルに座っていたのお母様が、目元をハンカチで押さえているのが見えた。修平伯父さんも、静かに腕を組みながら井を仰いでいた。

「私は々、お姉ちゃんを困らせました。反抗して、ひどい言葉をぶつけて、お姉ちゃんをで泣かせたこともありました。それでも、お姉ちゃんは度も私を放そうとはしませんでした」

は便箋から目をし、私をまっすぐに見つめた。

「お姉ちゃん、私を育ててくれて、本当にありがとう。お姉ちゃんが私のお母さんで、お姉ちゃんで、私のたったつの族です。私は今、悠さんとしい庭を築きます。でも、お姉ちゃんが私の姉であることは、変わりません。これからは、自分のためにきてください。自分の幸せのために、笑ってください」

会全体から、静かで、途切れることのない拍が湧き起こった。 私の界は涙で完全に滲み、目ののの姿がの粒のように揺れていた。

束の贈呈で、と悠さんが私の席のまで歩いてきた。 から渡された輪の百と薔薇の束は、驚くほどく、そして甘いりがした。

「お姉ちゃん、ありがとう」

抱きしめられたの肩から、懐かしい鹸の匂いがした。 、狭いアパートの呂で、で分けってきた匂いだった。

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「おめでとう、。……本当におめでとう」

私が絞りすように言うと、は私の胸に顔を埋めて、子どものようにさく頷いた。

すべての宴が終わり、参列者を見送った、私たちは式の正面ロビーにっていた。

夕暮れの涼しいが、ホテルのエントランスを吹き抜けていく。 の空は、い茜から群青へとグラデーションを描きながら、静かに暮れようとしていた。

「真紀さん、本当にありがとうございました」

悠さんが、私のでくをげた。

「悠さん、をよろしくお願いしますね。わがままで、たまに頑固なところがありますから」 「はい。命がけで守ります」

悠さんの屈託のない笑顔に、がし照れくさそうに笑った。 その顔には、朝方のような怯えやは微もなかった。

「お父さんのこと……」

ふと、がぽつりと呟いた。 その瞳には、ほんのしだけ、拭いれない寂しさが滲んでいた。それは、どんなに理尽な仕打ちを受けようとも、血の繋がった親を完全に憎み切ることはできない、の自然なの揺らぎだった。

「お父さん、最まで来なかったね」

「……そうだね」

私はの肩に優しくを置いた。

「でも、。あれはお父さんが自分で選んだことだよ。が悪いんじゃない。誰のせいでもないの」

はしばらく茜の空を見つめていたが、やがてさく、けれどしっかりと息を吐きした。

「うん。わかってる。私、もう振り回されないよ。お父さんのはお父さんのものだし、私のは私のものだから」

妹はそう言って、私に向かって笑ってみせた。 その横顔は、私が育ててきた女の面を残しながらも、しっかりとを向いてきるののものだった。

タクシーに乗り込むを見送り、きくを振った。 が夕のへとりり、テールランプの赤いが見えなくなるまで、私はずっとそのにち尽くしていた。

になり、荷物ときな束を抱えて、私は駅へと向かうを歩きした。 のたい夜が頬をかすめる。だが、寒さはじなかった。

バッグのから、式のスタッフが最に渡してくれたさな封筒を取りした。 には、現像されたばかりの、あの親族の集写真が入っていた。

灯の柔らかなので、写真を眺める。

純とピンクのドレスの真んで、が満面の笑みを浮かべている。 そのすぐ隣に、私がっていた。 番の、婦の真横の席で、しっかりと妹のを握りしめながら、し照れくさそうに笑っている私の姿があった。

かつて父は、私にこう言い放った。 『勝に妹を連れてをたおに、族の席はない』と。

だが、今ならはっきりとわかる。

族の席は、誰かに許してもらって座るものじゃなかった。

血の繋がりや、戸籍の切れ枚で保証されるものでもない。

相をい、痛みを分かちい、逃げしたい夜を共に乗り越えてきた歳そのものが、を本当の族にするのだ。

私は写真を切にバッグへしまい、夜のを歩きした。 取りは驚くほど軽かった。

からまた、私の常が始まる。 古いアパートへ帰り、で朝を作り、自分の仕事へ向かう々だ。 だが、その景は昨までとはまるで違って見えるはずだった。

私はもう、誰かののように縮こまってきる必はない。 のすべてを胸に抱いて、私は私ので、自分のを歩いていくのだから。

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