"15年育てた妹の結婚式で、父に親族席から外された" 第11話
私と悠さんがアトリウムに入っていくと、の顔が瞬で輝いた。
「お姉ちゃん!」
がドレスの裾をし持ちげ、私を招きした。 私は撮の邪魔にならないよう、ひな壇の端、列目の最も側へと自然にを運ぼうとした。
の癖だった。 、の学の卒業式。 母親をくしたばかりで、歳のの親代わりとして席した体育館で、私はどこにっていいのか分からなかった。周りは派なスーツを着た同級の両親ばかりで、歳の私は物のリクルートスーツを着て、体育館の壁際の番端に縮こまっていた。 保護者の集写真を撮るも、私はカメラのフレームの隅の、今にも見切れそうな所にっていた。 自分は本当の親ではない。ここにいていいではないという引け目が、代の私の背にずっと張り付いていたのだ。
だが、私が端へ寄ろうとした瞬、が壇からすっとりてきた。
「お姉ちゃん、どこくの」
は私の首を、しっかりと掴んだ。 その温もりは、に私のを握りしめて『どこにもかないで』と泣いていた子供のではなく、の自したの女性のものだった。
「、私は端っこでいいよ。親族の皆さんもいるし……」
「だめ」
は首を横に振った。そして、私の目をまっすぐに見つめた。
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「もう、そんなくにたないで」
その言が、私の胸を激しく揺さぶった。
「今まで私を育ててくれたのは、お姉ちゃんだよ。私が番見せたい相は、お姉ちゃんなの。だから、私の隣にいて」
は私のを引き、婦の真横のち位置へと私を導いた。 カメラマンが「あ、婦のお姉様ですね、どうぞ婦様のすぐ側へ!」と際よく指示をす。 私が恐る恐るその位置につと、隣に並んでいた修平伯父さんが、私の背をぽんと優しく叩いてくれた。反対側ののお母様、恵子さんも、柔らかな笑みを浮かべて頷いてくれている。
誰として、私がそこにつことを咎める者はいなかった。 非難の線も、怪訝な囁きも、そこにはしなかった。
「はい、撮りますよ! 皆さん、笑顔で!」
カメラマンの声が響き、が弾けた。
が、私の指先をぎゅっと握りしめていた。 私もそのを、く握り返した。 フレームの真んで、私たちは並んで笑っていた。
そのの披宴は、驚くほど穏やかで、温かなに満ちていた。
父のを理由にざわつく参列者はいなかった。悠さんの親戚も、の友たちも、ただ純粋にのを祝福してくれた。 婦側の親族席の最列の央に座りながら、私は運ばれてくる料理に舌鼓を打ち、グラスに注がれたシャンパンをんだ。
披宴の終盤、会の照が落とされ、婦から族へののが訪れた。
通常であれば、それは『両親への』と呼ばれる演だ。 だが、司会者は静かにこうアナウンスした。
「それでは、婦・様より、今まで温かく見守り育ててくださったご族へ、謝のが朗読されます」
スポットライトが、スポットを浴びてマイクのにつを照らしした。 は元の通の便箋を広げ、ゆっくりと顔をげた。その線は、真っ直ぐに私の席に向けられていた。
「お姉ちゃんへ」
最初の呼びかけで、会の空気が静まり返った。
「、お母さんがくなったのこと、私は今でも覚えています。歳だった私には、世界が全部終わってしまったようにえました。でも、あの、泣きじゃくる私のを握って、『私がいるから丈夫』と言ってくれたのは、まだ歳だったお姉ちゃんでした」
の声は、涙を含みながらも、言ひとことが会の隅々にまで染み渡るように澄んでいた。
「働き始めたばかりで、自分の活すら探りだったはずなのに、お姉ちゃんは私を引き取ってくれました。毎、朝く起きて作ってくれたお弁当。邪を引いた夜、何度も額のタオルを取り替えてくれたたい。私がに入った、自分のを枚も買わずに私にしい制を着せてくれたこと。
お姉ちゃんの青のすべてを、私のために差ししてくれたことを、私はっています」