"三人だけの家族写真と、消された私" 第9話
義母はテーブルをバンとのひらで叩いた。
「来のおい初め、親戚をみんな呼んであるのよ! 拓也の叔父さんたちも、くからわざわざ来てくれるの! その席で、来がった派なアルバムを披するって、もう親戚に約束してあるのよ! 今さら制作止だなんて、私がどれだけ恥をかけば気が済むの!?」
やはりそうだった。 義母にとって、このアルバムはおい初めの席で親戚たちに自分の「功績」を見せつけるための、絶対に必な具だったのだ。
「お義母さん。あのアルバムの掲載内容に、私が同していないからです。勝に母親の名を消した写真集を親戚に配られる筋いはありません」 「まだそんな細かいことにこだわってるの!? だから言ったでしょう、あんたは休んでればいいって! 私が代わりに全部背負ってあげてるんじゃないの!」
義母の勝な号を聞きながら、私は努めて静に言葉を返した。
「背負うって、何をですか? 枝叔母様に、私がノイローゼで育児放棄しているような嘘を吹き込むことですか?」
その瞬、義母のがぴたりと止まった。 瞳が瞬泳ぎ、揺がる。
「……な、何のことよ。枝さんに余計なこと吹き込まれたの?」 「余計なことではありません。事実と全く違う私の悪を親戚に広めて、同を集めようとしていたのはお義母さんですよね。
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そので、私の名を消したアルバムを見せて、自分の『献』を証するつもりだったんでしょう」
義母は顔を真っ赤にし、ぎりぎりと奥歯を噛み締めた。 しかし、ここで完全に引きがるようなタマではなかった。 義母はきく息を吸い込むと、急に声のトーンを落とし、まるでこちらにけをかけてやるかのような尊な態度を作った。
「……分かったわよ。そこまで言うなら、しは妥協してあげてもいいわ」 「妥協?」 「ええ。野写真館には私がもう度話してあげる。アルバムの最のページ……奥付のところの端っこにでもね、さくあんたの名を入れてあげるわ。『母・彩』ってね。それなら文句ないでしょう? 表や最初の見きはもう構図が決まってるんだから変えられないけれど、最のページに名を載せてあげるんだから、母親としての面目はつじゃない」
私はを疑った。
表とメインページからは私を徹底に排除し、番最の目たない隅に、慈のように名だけを添えてやる――それが、このの言う「妥協」だった。 どこまでも私を見し、自分の支配に置くことしか考えていない。
その、玄関のドアがき、仕事から急遽戻ってきた拓也が息を切らして入ってきた。 私が昼休みに「お義母さんが乗り込んできた」とメッセージを送っていたため、慌てて退してきたのだ。
「母さん! 彩! なんだよ、何があったんだ!?」
拓也はリビングにび込んでくると、私たちのに割って入った。 義母は息子を見るなり、急にしおらしい顔を作って拓也の腕にすがった。
「拓也、ちょうどいいところに来てくれたわ。彩さんがね、どうしてもアルバムのことで納得してくれないのよ。親戚のみんながおい初めを楽しみにしてるのに、全部台無しにする気なのよ。私ね、彩さんの名を最のページに入れてあげてもいいって、そこまで譲歩したのよ? なのにこの、まだ満そうな顔をして……」
拓也は義母の言葉を聞き、それから私を見た。 その瞳には、あからさまな「助かった」という堵のが浮かんでいた。
「彩……母さんもそこまで折れてくれたんだ。最のページに名が入るなら、親戚だって彩が母親だってちゃんと分かるだろ? これ以揉めても、誰も得しないよ。母さんのおい初めの準備だってんでるんだし、ここでを打とうよ」
拓也は、まるで名案をいついたかのように、私に歩み寄りを迫ってきた。 母親の嫌が直り、親戚への体裁が保てて、妻が泣き寝入りすれば、全てが丸く収まる――彼ののにあるのは、相変わらずその浅な計算だけだった。
私は、腕ので静かに私のの裾を握りしめている結を見ろした。
柔らかな頬。無垢な寝顔。 この子はまだ、自分がどんなたちの都に晒されているのかもらない。