"三人だけの家族写真と、消された私" 第7話
「自分の母親のは配できても、自分の妻が受けている屈辱はどうでもいいのね」
私の静かな言に、拓也は息を呑み、気まずそうに唇を噛んだ。
「……そんなこと言ってないだろ。俺だって、彩が嫌ないをしたのは分かってるよ。でも、族なんだから、しは穏便に……」
その、サイドボードのに置いてあった私のスマートフォンが震えた。 画面には、見慣れない固定話の番号が表示されていた。局番からして、内の番号だ。
私は拓也から線をし、通話ボタンを押した。
「はい、森川です」 『夜分遅くに恐れ入ります。野写真館の野でございます』
話の主は、あの写真館のカメラマン、野さんだった。 私は背筋を正した。
「野さん。夜分にお話をいただき、申し訳ありません。何かありましたでしょうか」 『いえ、こちらこそ夜分に失礼いたします。実は……本夕方、お義母様から当館へお話がございまして』
野さんの声は、昼よりも層慎で、どこか困惑を含んでいた。
「義母から、ですか?」 『はい。「嫁とも話しって誤解が解けたから、保留にしたアルバムの制作を予定通りめてほしい」とおっしゃいまして。ですが、先の奥様のご様子から察するに、本当にご納得されたでのご連絡なのかどうか判断がつきかねまして……のため、直接奥様にご確認させていただこうとお話を差しげた次第です』
私はわずたい笑いを漏らしそうになった。
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義母は、私に何の連絡も寄こさないまま、写真館に直接話をして既成事実を作ろうとしていたのだ。
「確認してくださって助かりました。私からは切、そのような承諾はしておりません。制作の保留はそのままでお願いいたします」 『承いたしました。では、お義母様にはそのようにお伝えいたします。……それと、奥様』
野さんがし言い淀むような気配配を見せた。
「はい?」 『変申しげにくいのですが……今回のアルバムの全体構成案について、奥様は事にどこまでごだったのでしょうか』 「全体構成案、ですか? 私は何も聞いていませんでした。当、族写真として撮するとしか……」 『やはり、そうでしたか……。実は撮の週ほど、ご主の拓也様が仕事帰りに度当館へち寄られまして、お義母様から預かっていたラフの構成案をお見せしていたのです』
を鈍器で殴られたような衝撃がった。
の奥がくなり、目のの景が瞬くかすむ。 私は向かいに座っている拓也を見た。彼は私が誰と話しているのか分からず、ただ所なさげに私の顔を窺っていた。
「……夫が、事に見ていたんですか」 『はい。お義母様が指定された写真のレイアウト――表がお義母様とご主、結ちゃんので構成され、巻の見きもお義母様とお子様をにするというプランです。
備考欄の「母親の名は載せないで」という文はから追加されたものですが、表や主なページに奥様が入らないというレイアウト自体は、その点でご主も確認されておりました』
野さんの丁寧な説が、徹な刃となって私の胸くに突き刺さる。
「……野さん、教えてくださってありがとうございます。族で、もう度きちんと話しいます」 『お力になれず申し訳ありません。では、制作は完全にストップした状態で維持いたしますので』
通話を終え、スマートフォンをテーブルのに置いた。 指先が微かに震えていた。りではなく、い失望と戦慄による震えだった。
「彩……誰から? 写真館か?」
拓也がおずおずと尋ねてくる。 私はテーブルに両をつき、夫の目をじっと見据えた。
「拓也。あなた、撮の週に、写真館にっていたのね」
拓也の表が、目に見えて凍りついた。 その瞳が激しく揺れ、額にっすらと汗が滲みる。
「えっ……いや、それは……」 「写真館の野さんから聞いたわ。お義母さんが作ったアルバムの構成案、あなた事に見せてもらっていたそうね。表にお義母さんとあなたと結のしかいなくて、巻のページにも私が載っていない構成案を、あなたはすでにっていた」
拓也は完全に言葉を失っていた。