"三人だけの家族写真と、消された私" 第4話
「おをせば、母親をアルバムから消していいの?」
私のたい問いに、拓也は線を逸らした。
「そう極端に言うなよ。母さんだって、悪気があったわけじゃないとうんだ。ただ……親戚に見せる、孫の誕を自分の柄みたいに見せたかっただけかもしれないだろ。母さん、昔から見栄っ張りなところがあるからさ。そこはちょっと目をつぶって、ててやればよかったじゃないか」 「てる?」
乾いた笑いが漏れた。
「拓也、あなたはさっき写真館で、母さんと並んで写真を撮ったわよね。私が控えに追いやられている、どんな気持ちであの子に座っていたの?」 「それは……母さんが『これがうちの族写真よ』って言うから、撮を止めるのも変だとったし……」 「あれが、あなたの考える『族』なの? 私がいなくて、あなたとお義母さんと結だけで完結するものが、私たちの族なの?」 「そんなわけないだろ!」
拓也は声を荒らげたが、その瞳には確なろめたさが宿っていた。
「俺はただ、波をてたくなかっただけだよ! おがしろって言ってるわけじゃない。ただ、やり方ってもんがあるだろ。母さん、すごく傷ついて帰っていったぞ」 「傷ついたのは私よ」
私は静かに言った。拓也の言葉のつつが、義母の悪よりもく私の胸を抉っていた。 このは、母親の嫌を損ねないことのほうが、妻の尊厳を守ることよりも遥かに優先順位がいのだ。
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「もういい。結におっぱいをあげてくる」
私は拓也に背を向け、寝のドアを閉めた。
暗い部ので、結に授乳をする。 ごくごくと音をてて母乳をむ娘のぬくもりだけが、私のを辛うじて繋ぎ止めていた。
だが、事態は写真館のトラブルだけでは終わらなかった。
写真館での件からが過ぎた、平の午のことだった。 拓也は会社にき、義母もあの以来、当てつけのようにがへは顔をしていなかった。 嵐のの静けさのようなの、リビングの固定話が鳴った。
ナンバーディスプレイを見ると、局番が表示されている。 受話器を取ると、聞き覚えのある甲い声がにび込んできた。
「もしもし、彩さん? 枝よ」
拓也の父方の叔母――義父の妹にあたる枝叔母さんだった。 盆や正に顔をわせる程度の柄だが、親戚のでは番が軽く、噂話が好きなとしてられていた。
「あ、枝叔母様。ご無汰しております。結のお祝い、ありがとうございました」 「いいのよ、それは。それより彩さん、体調はどうなの? ずっと寝込んでるんじゃないかとって、話するのも控えてたのよ」
叔母の調には、表面な労わりと、隠しきれない好奇が混ざりっていた。 私は首を傾げた。
「え……寝込んで、ですか? いえ、産の回復も順調で、普通に活しておりますが」
「あら、そうなの? がらなくてもいいのよ。お義姉さん――子さんから聞いてるわよ。産の肥ちが本当に悪くて、精神にもひどく定で、事も育児も何つにつかない状態だって」
臓が、ドクンと嫌な音をててねがった。
「義母が……そう言っていたんですか?」 「ええ、そうよ。毎朝から晩まで息子のに通い詰めて、事の支度から洗濯から、赤ちゃんの夜泣きの面倒まで全部自分が背負い込んでるって。お義姉さんももう歳でしょう? 『私が倒れたらあのは終わりよ』って、涙ながらに話でこぼしてたのよ。彩さん、若いんだからしっかりしなきゃダメじゃない。お義姉さんにそこまで甘えきりじゃ、息子もを尽かすわよ」
の奥で、キーンという属音が鳴り響いたような気がした。
界が歪む。 りというよりは、あまりの気悪さに背筋が凍りついた。
私が、事も育児もにつかず、精神定で寝込んでいる? 義母にすべてを任せきりにして、泣きついている?
現実はどうだったか。 傷の痛みに耐えながら、夜に何度も起きて授乳し、おむつを替えていたのは私だ。 義母が来ていたのはの数だけで、それも私のやり方を否定し、自分の都でを引っ掻き回していただけだ。 買いしや事作りを伝ってくれたことには謝していた。