みかん小説
本棚

"「2階は貸さない」と告げた母と、解約済みの息子夫婦" 第13話

斎の本をかす

10の旬、私は修の斎を片づけ始めた。

本棚には、夫が集めた本がぎっしり並んでいた。

結婚に読んでいた古い文庫本もあれば、退職に買った分い歴史もある。

私は最初、どれもかす気になれなかった。

1冊取りすたびに、修との会話をいす。

「この本、にも読んでなかった?」

私がそう尋ねると、修は笑った。

「何度読んでも面いものは面いんだ」

昔は、それが議だった。

同じ本を何度も読むより、しい本を読めばいいのに。

そうっていた。

でも今なら、し分かる。

気に入った物語には、何度でも帰りたくなるのだ。

私は本を3つに分けた。

元に残すもの。

娘の由紀へ相談するもの。

古などで引き取ってもらうもの。

すぐに処分することはせず、いったん段ボール箱へ入れた。

途、古い図がてきた。

京都内の町並みが、細かく描かれている。

修は、休になるとその図を広げていた。

「今のが、昔はどうなってたか見るのが面いんだ」

そんなことを言っていた。

私は図を机のへ置いた。

これだけは、取っておこうとった。

昼過ぎ、由紀から話があった。

「お母さん、片づけんでる?」

私は笑った。

「しずつね」

「無理しないでよ」

「分かってる」

由紀は尋ねた。

「お父さんの本、どうするの?」

私は本棚を見た。

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「全部は残せないから、好きだったものだけ残そうとってる」

娘はし黙った。

「寂しくない?」

私は正直に答えた。

「寂しいわよ」

由紀は何も言わなかった。

私は続けた。

「でも、部をそのままにしておけば寂しくない、というわけでもないでしょう」

話の向こうで、由紀がさく笑った。

「そうだね」

私は窓をけた。

のがカーテンを揺らした。

修が好きだった本を3冊だけ選び、1階の棚へ移した。

いつでもに取れる所に置いた。

空になった本棚の跡には、のがし違う部分が残っていた。

30、同じ所に置かれていたからだろう。

私は雑巾で拭いた。

机と子は、結さんの希望で残すことになっている。

さな本棚も1つ残した。

部の真んへつと、以よりずっと広くじた。

私は修の写真を見ながら、さく言った。

「お父さん、ここ、若いに使ってもらうわね」

声にすと、し肩の力が抜けた。

夫とのいを片づけているのではない。

これからの暮らしを迎える準備をしている。

私はそう考えることにした。

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